講演・口頭発表等

国際会議
2011年7月

Si(111)上の窒化ホウ素超薄膜形成

13th International Conference on the Formation of Semiconductor Interfaces (ICFSI-13)
  • 下山 巖
  • ,
  • 馬場 祐治
  • ,
  • 関口 哲弘
  • ,
  • Nath, K. G

記述言語
英語
会議種別

六方晶窒化ホウ素(h-BN)は5.5eV程度の大きなバンドギャップを持ち、グラフェンに極めて類似した2次元異方性の構造を持つ事から超薄膜半導体材料として興味深い対象である。これまで幾つかの遷移金属単結晶やTaCなどの単結晶表面原子層レベルのグラフェンやh-BN超薄膜形成は報告されているが、Si基板に対して超薄膜形成の手法は確立されていない。グラフェンの場合、Si基板上でSiCを形成してしまうため原子層レベルでの2次元的異方性を持つ薄膜形成は困難とされている。われわれはボラジンを用いたCVD法によりSi(111)上にh-BN超薄膜形成することを試み、NEXAFSを用いてそのキャラクタリゼーションを行った。その結果、薄膜のB及びN吸収端のスペクトルはバルクh-BNのスペクトルと良い一致を示し、明瞭な偏光依存性が観測された。これによりSi(111)上に2次元異方性を持つ配向h-BN超薄膜が形成されたことを明らかにした。われわれはさらに分子軌道計算を用いた解析により、h-BNの電子構造が基板との相互作用の影響をあまりうけず、ワイドバンドギャップ半導体としての性質を保持していることを提案した。