講演・口頭発表等

国際会議
2008年6月

X線光電子分光法による高エネルギー重イオン照射した二酸化セリウム中の酸素原子の挙動に関する研究

7th International Symposium on Swift Heavy Ions in Matter (SHIM 2008)
  • 岩瀬 彰宏
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  • 大野 裕隆
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  • 石川 法人
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  • 馬場 祐治
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  • 平尾 法恵
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  • 園田 健
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  • 木下 幹康

記述言語
英語
会議種別

二酸化セリウム(CeO$_{2}$)に対する高エネルギー重イオンの照射効果を調べるため、CeO$_{2}$の焼結体に室温で200MeVのキセノンイオンを照射した。照射試料及び未照射試料について、X線光電子分光スペクトル(XPS)を測定した。XPSスペクトルを解析した結果、照射試料においては、セリウムの原子価状態の一部が4価から3価に変化していることがわかった。そこでイオンの照射量に対するCe$^{3+}$の生成量を定量的に調べた。その結果、セリウムの還元に対応する酸素原子のはじき出し量は、3\%から5\%であった。この値は、CeO$_{2}$と200MeVイオンの弾性衝突のみで説明するには大きすぎると考えられる。この結果は、200MeVのキセノンイオン照射によって誘起される電子励起の寄与によって酸素のはじき出しが起こることを示唆するものである。