講演・口頭発表等

2019年

日本における関税撤廃が国内林業セクターに及ぼす影響

日本森林学会大会発表データベース
  • 樋熊 悠宇至
  • ,
  • 立花 敏
  • ,
  • 氏家 清和

開催年月日
2019年 - 2019年
記述言語
日本語
会議種別
主催者
日本森林学会

<p> TPP11協定の発効など地域経済連携協定の整備が進んでいる。経済連携協定において関税の削減は主要な議題であり、澤内(2009)、内閣府(2015)、Ji et al.(2018)等が応用一般均衡モデル(CGEモデル)を用いて、関税削減が日本へ及ぼす経済的影響を推計しているが、林業セクターへの影響に注目した研究はほとんどみられない。本研究では、日本への輸入財にかかる関税の撤廃によって生じる日本経済、とりわけ林業セクターへの影響についてCGEモデルを用いて推計した。推計には「平成27年延長産業連関表基本分類表(平成23年基準)」および「2015年国民経済計算年報(2011年基準)」を基に作成した社会会計行列(SAM)、Heltel and Mensbrugghe(2016)の輸入財と国内財の間の代替弾力性を用いた。その結果、関税の撤廃により実質GDPが0.031%上昇して日本経済が活性化すること、林業セクターの多くの部門で国内消費量が増加する一方で合板・集成材など比較的高い関税がかかる部門で国内生産量が減少することが示された。先行研究に依らず一律に設定した輸出財と国内財の間の変形弾力性について感応度分析を行ったところ一定の頑健性が確認された。</p>

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DOI
https://doi.org/10.11519/jfsc.130.0_18