2014年
自閉的特性を強く示す中学生の社会的スキルと学校適応
心理臨床科学
- ,
- 巻
- 4
- 号
- 1
- 開始ページ
- 3
- 終了ページ
- 11
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(大学,研究機関等紀要)
- DOI
- 10.14988/pa.2017.0000013851
- 出版者・発行元
- 心理臨床科学編集委員会
研究論文自閉症スペクトラム障害(Autism Spectrum Disorder;ASD)においては,社会的コミュニケーションの障害などの自閉的特性によって,子どもの対人関係や社会的適応のつまずきが懸念される。本研究は,公立中学校の通常学級に在籍する自閉的特性の強い子どもの社会的スキルと学校適応の状態を明らかにすることを目的とし,中学1年生223名とその保護者を対象に質問紙調査を実施した。その結果,保護者評定による自閉的特性の強さと自己評定の社会的スキルの低さに関連がみられ,社会的スキルの中でも引っ込み思案行動や攻撃行動といった対人場面での問題行動の高さとの関連が示された。さらに自閉的特性の高さはストレスや孤独感の高さ,友人からのソーシャルサポートの低さと関連がみられた。次に,スクリーニング基準によって自閉的特性が強いと判断された生徒16名(高特性群)とその他の生徒の中から抽出され,高特性群と性別,学校が一致するマッチングサンプル16名(低特性群)の社会的スキルと学校適応の比較を行った。その結果,社会的スキルには得点の有意差はなかったものの,高特性群のストレス反応や孤独感は有意に高いことが示された。本研究の結果から,自閉的特性を強く示す子どもは通常学級に一定数存在していること,そして彼らは他児と比較して学校不適応に陥る可能性が高いことが明らかになった。
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- ID情報
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- DOI : 10.14988/pa.2017.0000013851
- ISSN : 2186-4934
- CiNii Articles ID : 120005641766