2020年6月
確率論的破壊力学解析に基づく配管系の破損確率に対する非破壊試験のサンプリング方式の影響評価
Mechanical Engineering Journal (Internet)
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- 巻
- 7
- 号
- 3
- 開始ページ
- 19-00567\_1
- 終了ページ
- 19-00567\_11
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- DOI
- 10.1299/mej.19-00567
非破壊試験(NDE)は、配管等の原子炉機器の構造健全性を確保するうえで、重要な役割を果たしている。国内の原子力発電所では、日本機械学会発電用原子力設備規格維持規格等の規則に従って、非破壊試験が配管系の溶接部に対して実施される。応力腐食割れ(SCC)が想定されない溶接部の場合、10年の検査間隔でNDEが実施され、各検査間隔における試験程度が規格等において定められている。各検査間隔でNDEを実施する溶接部を選択するためのサンプリング方式としては、一般的に2種類が挙げられる。1つ目の方式は、定点サンプリング方式であり、NDEが実施される溶接部は前の検査間隔で試験が実施された溶接部と同一である。2つ目の方式は、ランダムサンプリング方式であり、NDEが実施される溶接部は、前の検査間隔で試験が実施されなかった溶接部から選択される。これらのサンプリング方式の選択は、配管系の構造健全性を確保する上で重要と考えられる。合理的な構造健全性評価手法の1つである確率論的破壊力学(PFM)解析は、SCCや疲労等の経年劣化事象、並びにNDEを通じた溶接部における亀裂の検出及び溶接部の補修・取替を考慮して、溶接部の破損確率を定量的に計算できる。本研究では、サンプリング方式の違いが配管系の構造健全性に及ぼす影響を明らかにするため、典型的な原子力配管系を対象に、PFM解析により2つのサンプリング方式によるNDEを考慮して破損確率を評価した。その結果、非破壊試験のサンプリング方式の違いが配管系の破損確率に及ぼす影響を定量的に確認した。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.1299/mej.19-00567
- ISSN : 2187-9745