共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

胸部大血管および心室筋形成における細胞分化の分子機構

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
19H03398
体系的課題番号
JP19H03398
配分額
(総額)
17,290,000円
(直接経費)
13,300,000円
(間接経費)
3,990,000円

本研究は①「胸部大血管形成における内皮細胞発生・管腔構造形成の重要性と制御機構の解明」と、②「心室筋の異なる領域における転写制御機構と細胞運命の解明」を目的としている。
①について、本年度は胸部大血管形成における内皮細胞でのHey1遺伝子の重要性を明らかにするため、出生直前の内皮細胞特異的Hey1欠損マウスの胸部大血管での表現型をmicroCTを用いて解析した。その結果、右大動脈弓などの構造異常を3次元的に観察することができた。また胸部大血管の由来となる胎生10.5日目胚での咽頭弓動脈の構造および遺伝子発現についても解析を進めている。さらに、内皮で発現するHey1遺伝子の転写制御機構を明らかにするため、Rbpj欠損マウス胚でのHey1内皮エンハンサー活性の解析を行った。その結果、Notch/Rbpjシグナル伝達経路が内皮でのHey1遺伝子発現に必須であることが明らかとなった。以上により、内皮で発現するHey1遺伝子の胸部大血管形成における重要性と転写制御機構の一端を明らかにした。
②について、本年度は胎生期心室筋で発現するHey2遺伝子の心室筋エンハンサーの転写制御機構を明らかにするため、Hey2心室筋エンハンサー欠損マウスの作製および当該マウスでのHey2遺伝子発現の解析、ルシフェラーゼアッセイを用いたHey2心室筋エンハンサー活性化因子の検索、Tbx20欠損マウス胚心臓でのHey2心室筋エンハンサー活性の解析を行った。その結果、Hey2心室筋エンハンサーは心室筋におけるHey2遺伝子発現に必須であり、Tbx20およびGata因子により活性化されていることが明らかとなった。本研究実績はDev Biol誌に投稿し受理された(Ihara et al., 2020. 共責任著者)。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19H03398
ID情報
  • 課題番号 : 19H03398
  • 体系的課題番号 : JP19H03398