MISC

2012年3月23日

社会の中の「良い逸脱」 : Positive Deviance

熊本大学政策研究
  • 河村 洋子
  • ,
  • Singhal Arvind

3
0
開始ページ
35
終了ページ
45
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
熊本大学

本稿の目的はわが国では非常に新しいPositiv Deviance (PD)を紹介することである。私たち研究者は問題に着目し、問題そのものの理解や知識を求めるが、それだけでは有効な解決策を生みだすことはできない。PDはむしろ最善の解決策はコミュニティの中にあるとし、コミュニティに潜在する創造力や知恵に着目する。そのような解決策は社会の「当たり前」の基準から逸脱し顕在化していない。しかし問題に対して良い結果を生んでいても、それがコミュニティ内の他者より恵まれた資源があるからという理由であってはコミュニティ内の他者は実践できない。したがって、逸脱は他者と同様限られた資源しかもたない者に見られるものでなけらばならない。PDはこのように見出された行動(実践)を顕在化し、コミュニティ内に定着されていく。PDの概念は行き詰って解決策を見いだせないでいる複雑な社会課題に対して、発想の転換を提供する。The purpose of this article is to introduce the concept of Positive Deviance (PD), which is very new to Japan. Researchers tend to focus on problems or deficits and to face the challenge of finding a...

リンク情報
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/110009393882
CiNii Books
http://ci.nii.ac.jp/ncid/AA12462257
ID情報
  • ISSN : 2185-985X
  • CiNii Articles ID : 110009393882
  • CiNii Books ID : AA12462257

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