共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年10月 - 2025年3月

植物性染色体の誕生と性決定システムの進化を解明する日英共同研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業  国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))

課題番号
21KK0128
体系的課題番号
JP21KK0128
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
18,590,000円
(直接経費)
14,300,000円
(間接経費)
4,290,000円

ナデシコ科雌雄異株植物ヒロハノマンテマ(Silene latifolia)のY染色体のほとんどはX染色体と組換えを起こさずに変異を蓄積し、X染色体の1.5倍(570 Mb)に巨大化している。これは、キウイフルーツなどのXY染色体が同じサイズである性染色体よりも分化が進んだ状態といえる。我々は、このY染色体上に存在する性決定遺伝子候補であり、めしべの発達を抑制すると考えられる遺伝子(GSFY)を同定し、そのパラログがX染色体上にも存在する(GSFXがある)ことを明らかにした。GSFXはRNA-seqのデータからも検出されたため、発現していると考えられる。本研究では、両遺伝子について、分子生物学的な遺伝子機能解析と進化遺伝学解析を行い、どのような突然変異が生じて性決定遺伝子が誕生したのかを明らかにする。
本年度は、GSFY遺伝子およびGSFX遺伝子の発現解析を実施し、どちらも茎頂で発現しているが、GSFYは発達初期の雄の花芽でも発現していることを確認した。
アミノ酸配列の相同性比較からは、GSFX遺伝子は機能喪失していることが推定された。機能喪失している遺伝子は、選択圧が無くなるため他の遺伝子よりも集団内での変異蓄積頻度が高いはずである。そのため、Oxford大と連携し、野生種を収集して変異頻度を調査することとした。本年度は、来年度の渡英しサンプル収集を行う段取りを行った。
また、両遺伝子の機能解析用のコンストラクションを行うため、nativeプロモーターの配列決定を行ったほか、35Sプロモーター直下にそれぞれのCDS配列を連結したコンストラクトを作製した。形質転換系の構築に向け、カルス誘導法の検討、茎頂へのガラスキャピラリーを用いたアグロバクテリウム感染法等などの検討を行った。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21KK0128
ID情報
  • 課題番号 : 21KK0128
  • 体系的課題番号 : JP21KK0128

この研究課題の成果一覧

受賞

  1

論文

  6

MISC

  2