2021年10月 - 2025年3月
植物性染色体の誕生と性決定システムの進化を解明する日英共同研究(研究代表者:風間裕介)
日本学術振興会 科学研究費助成事業 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
ナデシコ科雌雄異株植物ヒロハノマンテマ(Silene latifolia)のY染色体のほとんどはX染色体と組換えを起こさずに変異を蓄積し、X染色体の1.5倍(570 Mb)に巨大化している。これは、キウイフルーツなどのXY染色体が同じサイズである性染色体よりも分化が進んだ状態といえる。我々は、このY染色体上に存在する性決定遺伝子候補であり、めしべの発達を抑制すると考えられる遺伝子(GSFY)を同定し、そのパラログがX染色体上にも存在する(GSFXがある)ことを明らかにした。GSFXはRNA-seqのデータからも検出されたため、発現していると考えられる。本研究では、両遺伝子について、分子生物学的な遺伝子機能解析と進化遺伝学解析を行い、どのような突然変異が生じて性決定遺伝子が誕生したのかを明らかにする。
本年度は、GSFY遺伝子およびGSFX遺伝子の発現解析を実施し、どちらも茎頂で発現しているが、GSFYは発達初期の雄の花芽でも発現していることを確認した。
アミノ酸配列の相同性比較からは、GSFX遺伝子は機能喪失していることが推定された。機能喪失している遺伝子は、選択圧が無くなるため他の遺伝子よりも集団内での変異蓄積頻度が高いはずである。そのため、Oxford大と連携し、野生種を収集して変異頻度を調査することとした。本年度は、来年度の渡英しサンプル収集を行う段取りを行った。
また、両遺伝子の機能解析用のコンストラクションを行うため、nativeプロモーターの配列決定を行ったほか、35Sプロモーター直下にそれぞれのCDS配列を連結したコンストラクトを作製した。形質転換系の構築に向け、カルス誘導法の検討、茎頂へのガラスキャピラリーを用いたアグロバクテリウム感染法等などの検討を行った。
本年度は、GSFY遺伝子およびGSFX遺伝子の発現解析を実施し、どちらも茎頂で発現しているが、GSFYは発達初期の雄の花芽でも発現していることを確認した。
アミノ酸配列の相同性比較からは、GSFX遺伝子は機能喪失していることが推定された。機能喪失している遺伝子は、選択圧が無くなるため他の遺伝子よりも集団内での変異蓄積頻度が高いはずである。そのため、Oxford大と連携し、野生種を収集して変異頻度を調査することとした。本年度は、来年度の渡英しサンプル収集を行う段取りを行った。
また、両遺伝子の機能解析用のコンストラクションを行うため、nativeプロモーターの配列決定を行ったほか、35Sプロモーター直下にそれぞれのCDS配列を連結したコンストラクトを作製した。形質転換系の構築に向け、カルス誘導法の検討、茎頂へのガラスキャピラリーを用いたアグロバクテリウム感染法等などの検討を行った。
- ID情報
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- 課題番号 : 21KK0128
- 体系的番号 : JP21KK0128
この研究課題の成果一覧
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受賞
2論文
8-
Frontiers in Plant Science 15 2024年9月10日 査読有り責任著者
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Frontiers in plant science 15 1352564-1352564 2024年 査読有り筆頭著者
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CYTOLOGIA 88(3) 265-272 2023年9月25日 招待有り最終著者責任著者
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BioEssays 45(11) 2300111 2023年9月11日 査読有り筆頭著者責任著者
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CYTOLOGIA 88(2) 91-94 2023年6月25日 査読有り最終著者責任著者
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CYTOLOGIA 88(2) 89-89 2023年6月25日 査読有り最終著者責任著者
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Current biology : CB 33 2504-2514 2023年6月7日 査読有り
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Molecular Biology and Evolution 39(10) msac195 2022年9月27日 査読有り筆頭著者責任著者
MISC
2-
RIKEN Accel. Prog. Rep. 56 S39 2024年1月 査読有り筆頭著者責任著者
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RIKEN Accelerator Progress Report 55 169 2022年12月 査読有り最終著者責任著者