2016年4月 - 2021年3月
タートルアン湿原の自然浄化作用がラオス首都圏の環境衛生に果たす役割
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
本研究のタイトルとなっているラオス・首都ビエンチャンの住民が排出する下水を自然浄化してきているタートルアン湿原は、マクヒアウ川と呼ばれる人工の河川の水源地となっている。マクヒアウ川はおよそ50kmを流れてメコン川に達する。この50キロを流れる間に水質が最初は汚染されていた水の水質が改善されていくことが判明した。すなわち、マクヒアウ川のメコン川河口に定点を河口上流、河口部、河口下流に3か所定め水質調査をしたところ、同水源より流れる河川水は10km地点で大幅な水質改善が認められた。メコン川河口地点では、マクヒアウ川の水質は、浄化が進み、流入していくメコン川の水質よりも良好な状態となっていた。ただし、この結果はあくまで2018年の調査時という限定されており、今後も水質は継続調査する必要がある。特にチャイナタウンの建設等の湿原開発が進むことで、マクヒアウ川水質の悪化があるのかどうかを今後追跡調査する必要があるとの結論に達した。その他、
①ラオスにおける食中毒菌サルモネラの食品の汚染とヒトの保菌率ははるかに日本のそれと比較してリスクが高い現状がある中で、同菌はマクヒアウ川の上流では検出されたが、それ以外の下流では検出されていないことが明らかとなっている。
②乾季にはマクヒアウ川上流で大量の蚊の幼虫ボウフラが発生している。環境とヒトの健康被害の調査が重要な課題であると判明している。
③2018年にはメコン川のあちこちで氾濫し、マクヒアウ川もその影響で多くの地点で河川水が氾濫し、氾濫部分で水質の悪化を認めている。
以上が判明。
①ラオスにおける食中毒菌サルモネラの食品の汚染とヒトの保菌率ははるかに日本のそれと比較してリスクが高い現状がある中で、同菌はマクヒアウ川の上流では検出されたが、それ以外の下流では検出されていないことが明らかとなっている。
②乾季にはマクヒアウ川上流で大量の蚊の幼虫ボウフラが発生している。環境とヒトの健康被害の調査が重要な課題であると判明している。
③2018年にはメコン川のあちこちで氾濫し、マクヒアウ川もその影響で多くの地点で河川水が氾濫し、氾濫部分で水質の悪化を認めている。
以上が判明。
- ID情報
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- 課題番号 : 16H05634
- 体系的課題番号 : JP16H05634