論文

査読有り
2017年3月

特別養護老人ホームに勤務する看護師・介護福祉士の看取りにおける役割

日本看護福祉学会誌
  • 高野 一江
  • ,
  • 青木 頼子
  • ,
  • 竹内 登美子
  • ,
  • 新鞍 真理子
  • ,
  • 牧野 真弓

22
2
開始ページ
115
終了ページ
130
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
日本看護福祉学会

本研究の目的は、特養に勤務する看護師と介護福祉士の「看取りにおける各々の役割」を明らかにすることである。看護師と介護福祉士各5名に半構成的面接を行い、質的帰納的分析を行った。その結果、看護師の役割として得られたカテゴリーは、【最期まで責任をもって看取りきる】【看取りを受容できるための説明と働きかけを行う】【最期に家族の絆を深めるための調整をする】【介護の領域を理解し連携する】【看取りに自信をもつための教育を支援する】【重責を感じながら医師の代理を担う】【経験と知識の習得を繰り返し自己鍛錬する】【自然死を受け入れて治療を後退させる】【施設全体で看取りのシステムをつくる】であった。また介護福祉士の役割として得られたカテゴリーは、【苦痛を伴わない最期を願う】【最期までその人らしさを守る】【安心して最期を迎える環境を作る】【家族が納得出来る看取りにする】【入所時から臨終後も家族に寄り添う】【家族の代わりをする】【利用者の要望を看護師に代弁する】【安心して看取りに取り組める体制を整える】【死の恐怖を経験と知識を補うことで軽減する】【最期まで生き抜くことを手伝う】であった。看護師と介護福祉士の各々は、知識と経験から看取りを自己鍛錬し、利用者が安心して亡くなることを支援する役割が重要だと共通認識していた。その上で、看護師は自然に向かうために治療を後退させ、介護福祉士は死の恐怖を払拭することで自然死を受容していることが推察された。看護師は介護福祉士の知識や経験を把握しながら教育支援をすること、介護福祉士は主体的な生活支援をするために、看護師に後方支援に廻って欲しいことを主張することで、各々の役割を自覚し、連携がより良くなることが示唆された。(著者抄録)

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ID情報
  • ISSN : 1344-4875
  • 医中誌Web ID : 2017246567

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