共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

新規先端材料開発を目的とした遺伝子改変マウスのエナメル質ナノメカニクス解析

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
19K10188
体系的課題番号
JP19K10188
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

応力ひずみ曲線は材料機械特性の情報量が多く,最も信頼性の高い試験方法である.しかし規格試験である引張・曲げ試験は生体材料や構造材料に用いることが適当でなく,局所の応力ひずみ特性を直接評価できる新たな試験方法の開発が求められている.微小領域の機械特性試験としてはダイアモンド圧子を用いたナノインデンテーション法が以前から知られている.これは応力ひずみ特性における初期のコンタクトメカニクスである弾性係数を議論することができる一方で,バルク試験における最大強度,破壊抵抗性などの情報を獲得することはできない.球状圧子を用いたナノインデンテーション法では,材料表面への接触直後から応力場を制御しやすい.すなわち接触直後では弾性変形を生じ,荷重上昇に伴い塑性変形を発生する.このため理論上局所の応力ひずみ曲線から降伏点強度を議論することができるようになった.初期接触で弾性変形のみを生じる球状圧子では歯質と修復材料界面での微小機械特性のマッピングが可能になり,これまで困難であった象牙質と歯面処理剤のハイブリッド層を直接評価できる方法を新たに開発することができた.その結果,親水性機能性モノマーを用いた歯面処理では象牙質と修復材料界面の機械特性が著しく低下していることが明らかとなった.この結果に基づき,新たにリン酸エステル系機能性モノマーのみで歯面処理した歯面処理剤の開発に着手することができた.また本研究で用いられる最新装置では歯根膜の様な軟組織・線維性組織の機械特性を測定することも可能となり,生物学分野への波及効果も見られる.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K10188
ID情報
  • 課題番号 : 19K10188
  • 体系的課題番号 : JP19K10188