共同研究・競争的資金等の研究課題

2016年4月 - 2020年3月

チタン最表層超微小領域の石灰化メカニズムの解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
16K11633
配分額
(総額)
4,550,000円
(直接経費)
3,500,000円
(間接経費)
1,050,000円

本研究の目的は、チタンインプラント最表層での生体反応を明らかにし、超高齢社会に適した骨質改善を視野に入れたインプラント治療を可能にすることである。インプラント治療の成功は、オッセオインテグレーションの獲得と維持であり、チタン最表層での生体反応向上による早期の石灰化をめざし様々な表面処理技術が応用されている。石灰化組織はコラーゲンとアパタイト結晶のナノコンポジット組織であり、器質小胞性石灰化モデルで示される。しかし、チタン最表層での石灰化メカニズムはすべて明らかにされていない。本研究課題の目的は、微小領域の骨組織を超微小領域の分析が可能であるナノインデンテーション、顕微ラマン分光分析、および顕微エックス線回折などの最先端分析法を用いることで、チタン最表層超微小領域の石灰化メカニズムの解明に挑戦することであった。
平成28年度は、チタン最表層超微小領域での石灰化組織結晶の異方性決定メカニズムの解明(in vitro)を目的に各種表面処理を行ったJIS2種チタン板を実験に供し、ワイヤ放電加工表面を施したEDSurface とコントロールとして機械加工表面を用い、分化誘導培地を用い間葉系骨髄細胞の培養をし、通法の細胞形状、遺伝子解析を行った。さらに石灰化組織顕微ラマン分光分析およびナノインデンテーションを用い、骨質の評価を総合的に行った。その結果、ワイヤ放電表面での骨質は優位に優れている結果となった。
平成29年度および平成30年度は、生体内の骨形成メカニズムとチタン表面での骨形成メカニズムを比較検討するために、骨移植材情周囲の骨のナノインデンテーションおよび骨移植材自体の物性を評価した。本来、X線回折で結晶の異方性についても考察する予定であったがその部分については今後の課題となった。

ID情報
  • 課題番号 : 16K11633