2020年4月 - 2024年3月
細胞の3次元パターニングによるオンチップ心臓創成
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
臓器や細胞の複雑な構造や機能の再構成は、生物学・医学のみならず、創薬や再生医療に
向けても近年その重要性を増している。だが、従来の研究はデバイス中に2次元的に細胞を並べるだけで、その機能を再現しているとは言い難かった。本研究では心臓を例にとり、心筋細胞がどのようにブリッジや中空の構造を形成しているかも力学的機序を明らかにして微細デバイス内に立体的に配置・制御し、その収縮力によるポンプ機能と自己還流機能を備え、薬剤試験や再生医療に応用しうるオンチップ心臓を作ることを目指す。
当該年度は、オンチップ心臓デバイスを作製するための基盤技術を確立した。すなわち、このような複雑な細胞デバイスを作製するにあたり、通常のチップデバイスのように、流路を先に形成して後から細胞を送り込むような手法では、作製できる構造に相当制限がある。そこで、先にオープンな環境下でガラス基板に細胞を接着させ、その後に、常温においてガラスで蓋をし、細胞を閉じ込める技術を開発した。具体的には、細胞を接着させる溝部分以外の部分を中性洗剤で洗浄し、いったん乾燥させ、水をつけて長時間加圧することで貼り合わせさせることに成功した。2~3時間程度の加圧であっても、耐圧は、0.6 MPa以上と、通常の細胞培養実験には十分な値を示し、漏れなくデバイスが使えることがわかった。本技術を用いれば、流路内にて3次元的なパターニングも可能となり、デバイスの可能性が一気に高まる。
向けても近年その重要性を増している。だが、従来の研究はデバイス中に2次元的に細胞を並べるだけで、その機能を再現しているとは言い難かった。本研究では心臓を例にとり、心筋細胞がどのようにブリッジや中空の構造を形成しているかも力学的機序を明らかにして微細デバイス内に立体的に配置・制御し、その収縮力によるポンプ機能と自己還流機能を備え、薬剤試験や再生医療に応用しうるオンチップ心臓を作ることを目指す。
当該年度は、オンチップ心臓デバイスを作製するための基盤技術を確立した。すなわち、このような複雑な細胞デバイスを作製するにあたり、通常のチップデバイスのように、流路を先に形成して後から細胞を送り込むような手法では、作製できる構造に相当制限がある。そこで、先にオープンな環境下でガラス基板に細胞を接着させ、その後に、常温においてガラスで蓋をし、細胞を閉じ込める技術を開発した。具体的には、細胞を接着させる溝部分以外の部分を中性洗剤で洗浄し、いったん乾燥させ、水をつけて長時間加圧することで貼り合わせさせることに成功した。2~3時間程度の加圧であっても、耐圧は、0.6 MPa以上と、通常の細胞培養実験には十分な値を示し、漏れなくデバイスが使えることがわかった。本技術を用いれば、流路内にて3次元的なパターニングも可能となり、デバイスの可能性が一気に高まる。
- ID情報
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- 課題番号 : 20H02596
- 体系的課題番号 : JP20H02596