共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2025年3月

極域における地球電離大気流出のエネルギー源

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
21H04520
体系的課題番号
JP21H04520
配分額
(総額)
41,210,000円
(直接経費)
31,700,000円
(間接経費)
9,510,000円

・極域におけるイオン流出にかかわるイオン垂直加熱に対する波動粒子相互作用を直接観測することを目的としたSS-520-3ロケットに11月成功した。プラズマ波動・粒子の同時観測によるデータを取得することができた他、地上のEISCATレーダーからのグローバル同時観測にも成功した。取得したデータ解析により、プラズマ波動のactivityの捕捉が確認され詳細解析にはいった。
・テスト粒子シミュレーションコードの極域モデルへの拡張に取り組み、従来はホイッスラーモードのみを対象としていたシミュレーションコードを、分散性アルフベン波を含むイオンサイクロトロン周波数以下の低周波波動まで取り扱うことができるように拡張した。テスト粒子計算の初期条件として与えるプラズマ波動の波長や位相速度を決定するために必要となる、極域電磁圏における飛翔体観測結果の整理を進めた。
・EISCATレーダーとあらせ衛星との共同観測データに基づく電離圏分子イオン上昇流の詳細解析を実施し、その発生機構の主要因を特定すると共に、分子イオンが解離再結合に打ち克って上部電離圏にまで上昇する可能性を示した。その研究成果を学術雑誌に掲載した。さらに、磁気嵐時の分子イオン上昇流の特徴を統計的に解明するために必要となる、過去20年間分のEISCATレーダーデータの重点整備を行った。
・波動-粒子相互作用を解析する際に必要となる電界センサーの定量性を計算機シミュレーションにより明らかにするモデルを構築し、プラズマパラメータに依存したセンサーインピーダンスの周波数変化を明らかにすることができた。また、小型プラズマ波動観測器用のチップ設計を行い、より広い周波数帯域までカバーするようなチップのデザインを行った。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21H04520
ID情報
  • 課題番号 : 21H04520
  • 体系的課題番号 : JP21H04520