2021年4月 - 2025年3月
社会的ジレンマにおける負けないことが保証された直接互恵戦略の研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
繰り返し囚人のジレンマに代表される社会的ジレンマの問題は、ゲーム理論における中心的テーマとして長らく研究されてきた最も基本的な問題である。これらのゲームにおける有効な戦略として、しっぺ返し戦略 (Tit-for-Tat)をはじめとした多くの戦略が提案されてきたが、一般にこれらの戦略には一長一短が存在する。我々は、近年これらの問題において、「友好的ライバル戦略」という既存の戦略の「いいとこ取り」をした様な新奇な戦略クラスを発見した。本研究課題では、このクラスの戦略の研究をさらに進展させる。具体的目標は次の2点である。(1)一般のn-player の公共財ゲームにおいても有効な戦略を構築する。(2)友好的ライバル戦略が進化の過程においてどのような経路を経て生じるか(あるいは生じないか)を進化ゲームを用いて明らかにする。
昨年度は(1)の課題に注力し、一般のn人ゲームにおける解についての研究を行った。そのために、2人ゲームの場合の戦略「CAPRI」に着目し、これをオートマトンとして簡略化した表現に変換することで、その本質の理解を試みた。その結果、n人ゲームへの一般化に成功し、「CAPRI-n」と名付けた戦略を実際に発見することに成功した。実際にn=3,n=4の場合に富岳を用いた大規模計算で期待した性質が実現していることを数値的に検証し、また一般のnについて理論的に示すことに成功した。
これらの成果は、論文としてPlos Computational Biology誌に掲載され、国際会議等でも発表を行った。
また、研究が想定以上に順調に進展したことから、当初の予定になかった間接互恵にも研究対象を広げて研究を行い、こちらも論文や学会で発表を行った。
昨年度は(1)の課題に注力し、一般のn人ゲームにおける解についての研究を行った。そのために、2人ゲームの場合の戦略「CAPRI」に着目し、これをオートマトンとして簡略化した表現に変換することで、その本質の理解を試みた。その結果、n人ゲームへの一般化に成功し、「CAPRI-n」と名付けた戦略を実際に発見することに成功した。実際にn=3,n=4の場合に富岳を用いた大規模計算で期待した性質が実現していることを数値的に検証し、また一般のnについて理論的に示すことに成功した。
これらの成果は、論文としてPlos Computational Biology誌に掲載され、国際会議等でも発表を行った。
また、研究が想定以上に順調に進展したことから、当初の予定になかった間接互恵にも研究対象を広げて研究を行い、こちらも論文や学会で発表を行った。
- ID情報
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- 課題番号 : 21K03362
- 体系的課題番号 : JP21K03362