2020年6月
【「アンチスティグマにおける当事者活動の拡がり」】学校における保健教育とスティグマの改善、そこでの当事者の果たす役割について
日本社会精神医学会雑誌
- 巻
- 29
- 号
- 2
- 開始ページ
- 152
- 終了ページ
- 160
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (一社)日本社会精神医学会
2022年から学校教育の中で精神疾患が扱われることになった。全国の高校生が、精神疾患とは何か、特徴的な症状やその対処、精神疾患・精神医療に対する差別・偏見の問題(以下、スティグマ)を学習する。学校での精神疾患教育のアプローチは、スティグマ要素のうち、一般市民のスティグマの軽減に有効である。また、一般市民のスティグマは、精神疾患を経験すると当事者自身のスティグマに置き換わることから、精神疾患を経験した生徒、あるいは今後経験するかもしれない全ての生徒に効果が期待される。近年のレビューでは、当事者と交流することやインタビュー映像の視聴、精神疾患に関する知識教育、あるいは双方を含むプログラムを実施することが、スティグマ軽減に効果的だとされている。当事者との交流を用いる際には、対象や目的に合わせた工夫が求められる。過去のレビューでは、工夫されるべきポイントとして、(1)参加する当事者、(2)メッセージ内容、(3)授業準備と生徒のサポートの3点が挙げられている。こころの健康教室サニタでは、新学習指導要領の内容を踏まえて、当事者インタビューを含む教育資材をウェブサイト上で公開している。しかし、当事者の多様なリカバリーのあり方を示すには十分でなく、さらに教育資材を増やす必要がある。学校での学習をきっかけに、精神疾患に関心を持ち、学校だけでなく地域でも精神疾患を経験した当事者と交流する機会が増えることが望まれる。(著者抄録)
- リンク情報
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- CiNii Books
- http://ci.nii.ac.jp/ncid/AN10402992
- CiNii Research
- https://cir.nii.ac.jp/crid/1520013010159719808?lang=ja
- URL
- https://search.jamas.or.jp/index.php?module=Default&action=Link&pub_year=2020&ichushi_jid=J02767&link_issn=&doc_id=20200630080006&doc_link_id=%2Fdv3nisye%2F2020%2F002902%2F008%2F0152-0160%26dl%3D0&url=http%3A%2F%2Fwww.medicalonline.jp%2Fjamas.php%3FGoodsID%3D%2Fdv3nisye%2F2020%2F002902%2F008%2F0152-0160%26dl%3D0&type=MedicalOnline&icon=https%3A%2F%2Fjk04.jamas.or.jp%2Ficon%2F00004_2.gif
- ID情報
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- ISSN : 0919-1372
- 医中誌Web ID : 2020296749
- CiNii Books ID : AN10402992
- CiNii Research ID : 1520013010159719808