横井 翔
Kakeru Yokoi
更新日: 04/08
その他
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2022年12月昆虫の研究は分子レベルから生態レベルまで盛んに行われており、昆虫の多様性を反映した興味深い知見の報告が続いている。異なったスケールで同じ生物を議論することによる相乗効果で、日本の昆虫研究は独特な発展を遂げ、国外からも注目されている。本会では様々なスケールで昆虫を研究している若手の研究者に発表を行なっていただく。多様な観点から議論することで、統合的なスケールでの新しい研究が生み出されることを期待する。
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2022年11月https://www.hiroshima-u.ac.jp/news/74153
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2022年10月概要: 広島大学大学院統合生命科学研究科の栂浩平研究員および坊農秀雅特任教授、農研機構の横井翔主任研究員は、公共DBに蓄積された遺伝子発現実験データを利活用し、昆虫の密度依存的な表現型の変化に関連する遺伝子を多数同定しました。 農業害虫として知られるアブラムシやトビバッタは、密度に依存して表現型を劇的に変化させます。例えば高密度条件では移動能力(アブラムシは翅の形成、トビバッタは飛翔距離)が上昇し、農業被害を広範囲にもたらします。密度に応答してどのような遺伝子の発現が変化するかは、単一もしくはいくつかの種で個別の研究によって探索されており、公共D B上にはそれらのデータ全てが蓄積されていました。 本研究では、当研究室で開発された公共DB上の遺伝子発現実験データを統合・再解析する手法(メタ解析)により、複数の種で共通して密度に応答する遺伝子を発見しました。この中には、これまでに密度との関連が報告されていない遺伝子も多く含まれていました。メタ解析で得られたこれらの遺伝子は、密度依存的な表現型の変化に必要不可欠な機能を持つと考えられます。これらの機能解析が進めば、アブラムシ類やトビバッタ類の成長を制御する方法の開発に繋がることが期待されます。 本研究成果は、スイスの出版社 Multidisciplinary Digital Publishing Institute (MDPI)の Insects 誌に 2022 年 9 月 23 日に掲載されました。 URL https://www.hiroshima-u.ac.jp/news/73359