2000年 - 2002年
遺伝子改変マウスを用いたARDS発症分子機序の解明及び治療法開発
文部科学省 科学研究費補助金(基盤研究(B)) 基盤研究(B)
ARDS(Adult Respiratory Distress Syndrome、成人呼吸促迫症候群)は、発症後短時間で肺水腫、低酸素血症を呈する急性呼吸不全が特徴であり、死亡率が40-70%にも達する予後不良の疾患である。ARDSの主要な発症誘因として、1)敗血症、2)胃液(塩酸)誤嚥などによる急性肺損傷が指摘され、発症機序には種々の炎症関連物質が複雑に関与している可能性が想定されているが、その分子機構は未だ明かではない。また治療の標的が不明確であるため、有効な治療薬も存在せず画期的な新治療法の開発が急務とされている。
PAF、エイコサノイドなどのメディエーターは、重要な炎症関連物質と想定され、ARDS発症の分子機構に寄与している可能性が推察される。本研究では、発生工学的手法を応用し、1)PAF、2)細胞質性ホスフォリパーゼA_2(cytosolic phospholipase A_2,以下cPLA_2)、のARDS発症分子機序における意義および治療応用への可能性について検討した。
1)PAF受容体ノックアウトマウスおよびトランスジェニックマウスを用いて、塩酸気管内投与によりARDSモデルを作成した。その結果、PAF受容体ノックアウトマウスでは肺水腫、呼吸不全が抑制され、トランスジェニックマウスでは肺水腫、呼吸不全が増悪することが観察された。
2)cPLA_2遺伝子ノックア...
PAF、エイコサノイドなどのメディエーターは、重要な炎症関連物質と想定され、ARDS発症の分子機構に寄与している可能性が推察される。本研究では、発生工学的手法を応用し、1)PAF、2)細胞質性ホスフォリパーゼA_2(cytosolic phospholipase A_2,以下cPLA_2)、のARDS発症分子機序における意義および治療応用への可能性について検討した。
1)PAF受容体ノックアウトマウスおよびトランスジェニックマウスを用いて、塩酸気管内投与によりARDSモデルを作成した。その結果、PAF受容体ノックアウトマウスでは肺水腫、呼吸不全が抑制され、トランスジェニックマウスでは肺水腫、呼吸不全が増悪することが観察された。
2)cPLA_2遺伝子ノックア...
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- 課題番号 : 12470134
- 体系的課題番号 : JP12470134