論文

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2021年5月

積分実験データを用いた核データ調整研究に対するM. Salvatoresの偉業

Annals of Nuclear Energy
  • 横山 賢治
  • ,
  • 石川 眞*

154
開始ページ
108100\_1
終了ページ
108100\_11
記述言語
英語
掲載種別
DOI
10.1016/j.anucene.2020.108100

高速炉のような新型炉の設計において、核特性の予測精度を向上させることは重要な課題である。炉定数調整法(核データ調整法)はこの課題に対する有力な方法論の一つである。炉定数調整法の考え方は1964年に初めて提案されたが、その実用化に向けては長期間に亘って研究が行われている。理論式の確立に約10年間を要したが、実用化に向けては半世紀以上に亘って研究開発が行われている。この分野の研究活動は依然として活発であり、新しい原子炉を開発するためには予測精度の向上が必要不可欠であることを示唆している。2020年3月に逝去されたMassimo Salvatores氏は炉定数調整法の最初の提案者の一人であるとともに、実用化に向けて偉大な貢献を行った研究者である。この分野における同氏の業績をレビューすることは、炉定数調整法の方法論の歴史をレビューすることとほぼ同じことを意味する。われわれはこのレビューがこの分野において今後何を開発すべきかを示唆するものになると期待する。このレビューは、a)炉定数調整法の方法論の確立と、b)実用化に関する成果の二つのテーマで構成される。更に、前者については、炉定数調整法の理論と炉定数調整法の適用必要となる感度係数の数値解法に関する研究の観点からレビューを行う。後者については、積分実験データの利用、不確かさの定量化と設計目標精度の評価、核データ共分散開発の促進の観点からレビューを行う。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.1016/j.anucene.2020.108100
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5069888
ID情報
  • DOI : 10.1016/j.anucene.2020.108100
  • ISSN : 0306-4549

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