2014年7月
能の舞を記譜すること──観世元章の型付『秘事之舞』をめぐって
松岡心平編『観世元章の世界』檜書店
- 開始ページ
- 301
- 終了ページ
- 317
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
観世文庫が所蔵する能の型付(振付ノート)『秘事之舞』は、江戸中期を代表する観世大夫である観世元章が作り上げた特殊な舞の実態を伝える貴重な資料だ。本稿では、本書で舞を記述するために用いられた精度の高い記譜法を、一般的な記譜法と比較分析した。それを通じ、元章が能の舞をどのように理解していたのか、翻って一般的な舞の記譜法はどのように舞を理解しているのかを明らかにし、「能の舞」が本質的に粗い記譜を要請するという考察に及んだ。