論文

査読有り 本文へのリンクあり
2003年3月

能楽堂の誕生

表象文化論研究
  • 横山太郎

2
開始ページ
128
終了ページ
143
記述言語
日本語
掲載種別
研究論文(大学,研究機関等紀要)

建物内にさらに屋根のある能舞台が設置される劇場内劇場という構造の「能楽堂」の嚆矢は、明治14年に建設された芝能楽堂であった。本稿はこの芝能楽堂の設立のプロセスと背景とを探るべく、事業の中心人物であった岩倉具視や久米邦武を中心とした同時代の言説を分析した。これにより、この出来事を介して、かつて幕府の式楽であり明治維新によっていったんは崩壊した「猿楽」が、西洋の「オペラ」に相当する日本固有の歌舞たる「能楽」として自らを再形成し、新たな社会環境に適応しようとしたことを明らかにした。

ID情報
  • ISSN : 1348-5423

エクスポート
BibTeX RIS