2014年10月
小児脳腫瘍の初発症状
日本小児科学会雑誌
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- 巻
- 118
- 号
- 10
- 開始ページ
- 1489
- 終了ページ
- 1493
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (公社)日本小児科学会
当科で過去7年間に経験した小児脳腫瘍80例を対象に、その初発症状と診断までの期間について検討した。診断時の受診理由は、嘔吐を伴う頭痛が15例と最も多く、次いで意識障害や痙攣11例、視力低下や眼球運動障害などの眼症状10例、麻痺10例の順であった。多くの場合、複数の症状あるいは緊急性の高い神経症状が現れて初めて脳腫瘍が疑われており、嘔吐または頭痛のみを主訴に受診した段階で診断されたのは4例のみであった。症状出現から診断までの期間の中央値は2ヵ月で、1年以上要した例も9例あった。1ヵ月未満に診断された23例中8例は死亡の転帰を辿っていた。意識障害や痙攣、麻痺、嘔吐を伴う頭痛と比べ、眼症状の多くは症状出現から診断まで1ヵ月以上を要しており、うち2例は1年以上であった。
- ID情報
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- ISSN : 0001-6543
- 医中誌Web ID : 2015100804