2017年4月 - 2020年3月
大規模な経済ネットワークシミュレーションに基づく経済システムの脆弱性のモデル化
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
実体経済の要となる金融機関・企業間の信用ネットワークと企業間の生産ネットワークを対象として、ネットワーク科学の手法と京コンピュータを含む大規模な計算機資源を活用し、巨大な経済ネットワークの実データの構造とそのダイナミクス、リスクやストレスの連鎖現象、経済ネットワーク自身の時間的な発展などを明らかにすることを目的とする。前年度までの研究成果として、物価・実体経済ネットワーク・脆弱性にかかるシミュレーションのモデル化を行った。今年度はそれらモデル化を実装、拡張しながら、以下の応用展開を行った。
1. 【連鎖倒産やサプライチェーン上でのストレス伝播モデルとシミュレーション】システムの一部に生じた経済ストレスや破綻が経済ネットワーク上でどのように波及するか、そのモデル化を点過程(point process)を用いて行った。また、大きな自然災害で典型的にみられるような生産ネットワークにおける供給停止が及ぼす影響のシミュレーションを理化学研究所の京コンピュータを含むスパコン上に実装して、そのモンテカルロシミュレーションを多数のシナリオについて行った。
2. 【経済ネットワークの構造・ダイナミクスのモデル化とシミュレーション】経済ネットワークの構造やそのダイナミクスを記述するための確率モデルとして、Exponential Random Graph Model (ERGM), SAOM (stochastic actor-oriented model)などのモデル構築を行って、マルコフ連鎖モンテカルロ(MCMC)などの手法でパラメータを推定する手法を開発した。
3. 【可視化ツールの開発】東日本大震災による生産活動の停止が及ぼす国内約百万社への影響を可視化するツールを開発してその公開の準備を進めた。
1. 【連鎖倒産やサプライチェーン上でのストレス伝播モデルとシミュレーション】システムの一部に生じた経済ストレスや破綻が経済ネットワーク上でどのように波及するか、そのモデル化を点過程(point process)を用いて行った。また、大きな自然災害で典型的にみられるような生産ネットワークにおける供給停止が及ぼす影響のシミュレーションを理化学研究所の京コンピュータを含むスパコン上に実装して、そのモンテカルロシミュレーションを多数のシナリオについて行った。
2. 【経済ネットワークの構造・ダイナミクスのモデル化とシミュレーション】経済ネットワークの構造やそのダイナミクスを記述するための確率モデルとして、Exponential Random Graph Model (ERGM), SAOM (stochastic actor-oriented model)などのモデル構築を行って、マルコフ連鎖モンテカルロ(MCMC)などの手法でパラメータを推定する手法を開発した。
3. 【可視化ツールの開発】東日本大震災による生産活動の停止が及ぼす国内約百万社への影響を可視化するツールを開発してその公開の準備を進めた。
- ID情報
-
- 課題番号 : 17H02041
- 体系的課題番号 : JP17H02041