共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

肺高血圧症の閉塞性病変における平滑筋細胞形質変換のプロテオームによる網羅的解析

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K08155
体系的課題番号
JP20K08155
配分額
(総額)
3,900,000円
(直接経費)
3,000,000円
(間接経費)
900,000円

本研究では、ラット肺高血圧モデルにおいて、肺高血圧症の閉塞性病変における平滑筋細胞の形質変換に関与する蛋白を、レーザーマイクロダイセクション(LMD)法により閉塞性病変の組織を選択的に取得して、プロテオーム解析による網羅的探索を行うことで同定し、機能を検証することを目的としている。閉塞性病変を起こすラットSugen-低酸素モデルはVEGF受容体遮断薬のSugen5416をラットに皮下注後、0.5気圧下で3週間飼育したのちに通常気圧下で飼育することで徐々に閉塞性病変が進行する。研究代表者らの既報に従い、当初は低酸素3週間の後、通常気圧下5週時点での閉塞性病変と非閉塞病変の組織をLMD法にて得て比較する予定としていたが、閉塞性病変の比率が既報よりも少なく、時系列で病変の再検討を行った。7週齢の雄SDラットに対し、Sugen5416皮下注後3週間の低酸素と5週間(8週モデル)または10週間(13週モデル)の通常気圧下で飼育したラットを作成し、血行動態及び組織評価をした結果より、当初の8週モデルの同一個体内での閉塞病変と非閉塞病変の比較よりも、8週モデルと13週モデル間で病変を比較する方が解析に適切であると考えられた。昨年度各群6匹ずつのモデルラットを作成、血行動態評価、病理評価を行ったうえで、今年度はLMD法にて病変部位の組織の取得を行った。しかしながら、実際に得られた蛋白量は13週モデルでは十分量を取得できたが、8週モデルにおいては想定以上に少ない量しか取得できなかった。このため、組織処理の方法、蛋白抽出の方法について見直しを行った。いくつかの手法を検討し、最終的に実質臓器である肝臓を用いて、十分な蛋白量が得られたプロトコールを採用することとした。現在、改めて新しい手法で8週および13週モデルの肺各群6検体からLMD法での組織取得を行っている。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K08155
ID情報
  • 課題番号 : 20K08155
  • 体系的課題番号 : JP20K08155