2012年9月
PEG-IFNα2b+RBV 72週治療後に早期再燃したが、PEG-IFNα2a少量長期投与にてウイルス学的治癒に至ったC型慢性肝炎の1例
新潟市民病院医誌
- 巻
- 33
- 号
- 1
- 開始ページ
- 39
- 終了ページ
- 43
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 新潟市民病院
【背景】プロテアーゼ阻害薬の登場によりインターフェロン(IFN)単独治療では難治性とされるgenotype 1b、高ウイルス量症例のウイルス学的治癒も高い確率で狙える時代になってきた。しかし、その強い副作用などから恩恵を受けられない症例も少なくない。PEG-IFNα2a少量長期投与を行いウイルス学的治癒となった症例を報告する。【症例】50歳代の女性。初回治療の天然型IFNα 24週治療では再燃し、2次治療としてのIFNα2b/RBV 24週治療では無効であった。3次治療としてのPEG-IFNα2b/RBV 72週治療では終了後1ヵ月で早期再燃した。その後HCV-RNA量の増加に遅れてALTの上昇がみられた。ALT正常化、肝発癌抑制目的に、4次治療としてPEG-IFNα2a 90μgの週1回長期投与の方針とした。28週でHCV-RNA陰性化したため、さらに100週治療を継続した。その後ウイルス学的治癒を確認し、現在経過観察中である。【考察】PEG-IFN治療の登場前から2年以上の長期IFN治療の高いSVR率が報告されている。我々もそれに倣い、以前も2年半にわたる天然型IFNα少量長期投与でSVRに至ったC型肝硬変症例を経験し、報告してきた。IFN少量長期療法でもHCV-RNA陰性化が得られれば、その後長期の治療継続に期待してもよいと思われた。(著者抄録)
- ID情報
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- ISSN : 0389-1453
- 医中誌Web ID : 2012372385