共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年7月 - 2023年3月

グリアの視点からの片頭痛の新展開:slow EEGと機能的MRIの統合的解析

日本学術振興会  科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)  挑戦的研究(萌芽)

課題番号
20K21573
体系的課題番号
JP20K21573
配分額
(総額)
6,370,000円
(直接経費)
4,900,000円
(間接経費)
1,470,000円

(研究の具体的内容)
成果1:広域周波帯脳波(wide-band EEG): 前兆のある片頭痛(MA),前兆のない片頭痛(MO)と頭痛専門医が確定診断し,臨床上の必要から脳波検査を施行した143人の患者において,患者の臨床上のプロファイルとそれらの脳波解析結果(脳波通常判読で用いる時定数0.3秒,および緩電位を捉える時定数2秒を用いた判読)との関連を解析した.その結果,①MA/MOの差は明らかでなかったが,徐波がみられ,年齢依存性に出現部位が後頭部から側頭部に移っていること,②有症状期や家族歴のある群で,それぞれ発作間欠期,家族歴のない群に比し,後頭部に緩電位(1秒あたり1周期未満の徐波でグリア活動との関連が考察される)が検出されることを見出し,学会で報告した.成果2:運動症状を伴う重症型の片麻痺性片頭痛(HM)での遺伝子変異の有無や脳波変化に関するデータの蓄積も行った.成果3:脳波-機能的MRI同時記録(EEG-fMRI): 上記の脳波変化の脳内起源を,深部を含めて明らかにするために本記録を行うことを計画し,倫理委員会審査の承認を得て機器のセットアップ,テストランを行った.
(研究の意義・重要性)
確実な片頭痛診断例において脳波専門医の判読による時定数2秒での頭皮上脳波異常を多数例で検討を行うことができ,片頭痛の疾患バイオマーカーとしての脳波異常の意義を緩電位の新しい視点から検討できた.さらにEEG-fMRIについては片頭痛脳波変化の起源を探る新手法を展開する礎を築けた.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K21573
ID情報
  • 課題番号 : 20K21573
  • 体系的課題番号 : JP20K21573