2018年
水分特性曲線法を用いたヒノキの樹体内貯留量と蒸散への寄与度の評価
日本森林学会大会発表データベース
- ,
- ,
- ,
- ,
- ,
- ,
- 巻
- 129
- 号
- 0
- 開始ページ
- 300
- 終了ページ
- 300
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.11519/jfsc.129.0_300
- 出版者・発行元
- 日本森林学会
<p>ヒノキやスギなどの針葉樹の高木種では、高さにともなう根から葉への水輸送の困難さから気孔開度や炭素固定能の低下が引きおこされると考えられている。これに対し、樹体に貯留されている水が蒸散要求に対して迅速に供給されることで、生じうる水ストレスを緩和することが近年示唆されている。本研究では、滋賀県桐生水文試験地内の樹高6.5~8mのヒノキ3個体を用いて、葉および幹における樹体内貯水量と蒸散への寄与率を評価した。2017年10月の晴れた日に、針葉および幹の木部圧ポテンシャル、蒸散速度、幹の伸縮量、樹液流量の日変化を測定した。その後、立木吸水法により樹液流速から吸水量への換算式を得た。また、単木および針葉の水分特性曲線から木部圧ポテンシャルにともなう各々の貯留水変化量を、幹の収縮量から幹の貯留水変化量を算出した。樹体内貯留水は午前の蒸散要求に応じて消費され、蒸散低下後から明け方にかけて再充填されていた。また、単木の日積算蒸散量に対する貯留水量の寄与率は約20%であった。この貯留水量の約50~80%は葉における貯留水であったことから、葉の貯水性は日変化スケールの単木の水輸送体系に重要であると考えられる。</p>
- リンク情報
- ID情報
-
- DOI : 10.11519/jfsc.129.0_300
- CiNii Articles ID : 130007375922