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2019年7月

腹膜透析カテーテル留置に伴い、後腹膜到達法による左腎摘除術を施行した常染色体劣性多発性嚢胞腎の1乳児例

日本小児腎不全学会雑誌
  • 田中 俊明
  • ,
  • 佐藤 俊介
  • ,
  • 舛森 直哉
  • ,
  • 長岡 由修
  • ,
  • 小林 正樹

39
開始ページ
146
終了ページ
148
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
日本小児腎不全学会

常染色体劣性多発性嚢胞腎(ARPKD)では、乳児期に腹膜透析(PD)の導入および固有腎摘除を要することがあり、さらに将来的な腎移植術への配慮も必要である。乳幼児の固有腎摘除術において一般的に用いられる経腹的到達法では、腹膜の切開が大きくPDへの影響が懸念され、また大血管近傍の操作は後の腎移植術を困難にする可能性がある。これらを考慮し、当科では日齢150、3,560gのARPKD女児に対し、以下の方法で手術を行った。まず右側臥位にて左第12肋骨先端から腰部斜切開をおき、後腹膜に到達した。腎血管の処理は可及的に末梢で行い、とくに問題なく左固有腎摘除を施行した。引き続き仰臥位に変換し、PDカテーテル留置術を行った。PDは術後14日目より開始し、透析液の漏出やカテーテルトラブルはなく経過している。ARPKD乳児例に対する後腹膜到達法による固有腎摘除術は安全に施行でき、有用であると考えられた。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 1341-5875
  • 医中誌Web ID : 2020019692

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