三上 義礼

現在の主な研究テーマ：臓器連関を介した心血管疾患の病態生理

糖尿病性心筋症に着目し、モデルマウスを用いて、病態の発症・進展のメカニズム解明を進めています。

　心臓は腎臓、肝臓、脳などさまざまな臓器と連関して恒常性を維持しています。さらに心臓内でも心筋細胞・血管内皮細胞・免疫細胞・神経細胞など多様な細胞どうしが連携して生理機能を発揮しています。これらの臓器間・臓器内細胞間コミュニケーションの生体恒常性機構を理解し、その破綻によって生じる心機能障害の発症・進展のメカニズムの解明を通して、創薬標的や治療法の確立をめざします。

　細胞内Ca²⁺シグナルの生理的役割とその破綻に起因した疾患のメカニズムの解明に着目し、電位依存性Ca²⁺チャネル・リアノジン受容体などのCa²⁺チャネル、SERCAなどのCa²⁺トランスポーターとその機能調節蛋白の分子機序解明に取り組んでいます。また、代謝経路にも着目し、心室筋細胞におけるエネルギー代謝と心機能の連関についても研究を進めています。さらに、心筋細胞に対する保護作用を発揮する分泌因子に着目し、臓器連関・細胞間連関を介して働くメカニズムの解明を通して、新しい治療・創薬標的の創出をめざします。