共同研究・競争的資金等の研究課題

2004年 - 2007年

20世紀後半の東アジアの都市大衆文化における「アメリカ」の受容と反発

日本学術振興会  科学研究費(基盤B)  基盤研究(B)

課題番号
16330097
体系的課題番号
JP16330097
資金種別
競争的資金

第一に、戦後日本のアメリカによる占領期から60年代までの日本におけるアメリカニズムの重層的な作用について明らかにした。戦後日本のまなざしの重層的変容において切断され、忘却されてきたものが、どうポスト帝国的秩序を、戦前から連続的な仕方で支えたのか。こうした分析を進めることで、20世紀のグローバルな軍事-政治的な地政学と、人びとが日々の生活のなかで経験している意味や欲望、感情を、けっして下部構造と上部構造、ミクロとマクロ、テクストとコンテクストというような二元論ではないかたちで結びつけることができた。
第二に、東アジアにおけるアメリカの文化政策を研究するため、近年桐生市図書館で発見され、現在東京フィルムセンターに所蔵されているCIE映画フィルム(占領期日本で教化・指導政策に携わった、GHQ/SCAPの機関である民間情報教育局Civil Information and Education Section=CIEによる映画作品)のデジタル・アーカイブ化を進めた。老朽化したフィルム映像・音声のデジタル化およびメタデータのデジタル化を進め、デジタル・アーカイブとしてまとめた(http://kirokueiga-hozon.jp/cie/著作権の問題から、限定公開中)。さらにCIE映画を素材とする研究会を開催し、あわせて上映会を開催することができた。
また、この東アジアにおける「アメリカ」を考える際、戦前日本の帝国主義からの連続性を視野に入れて検証し直されなければならない。本研究プロジェクトにおいては、戦前・戦中の日本の帝国主義と東アジアの情報空間を研究するため、複数の大学に存在する「戦争とメディア」をテーマとするデジタル・アーカイブを統合する試みを行った。(戦争とメディア:http://media-portal.iii.u-tokyo.ac.jp/)

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-16330097
ID情報
  • 課題番号 : 16330097
  • 体系的課題番号 : JP16330097