2019年6月 - 2022年3月
分光・偏光・撮像の3大観測能力を高いレベルで備えた新しいX線望遠鏡の開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽) 挑戦的研究(萌芽)
偏光・分光・撮像の3大観測能力を高いレベルで備えた新しいX線望遠鏡の実証にむけて、像再構成を担うスリット(ARB)の開発、ソフトウエアの開発、望遠鏡 部の開発の3つにわけて進めている。 ARB部はBLで通常用いられているスリット製作技術が必要である。当研究では加工機のパラメーター出しを行い、スリット加工技術を獲得した。金の電柱レプリカの技術を用い、μmの精度でスリットを作成できている。金の内部応力により、加工条件にかかわらずスリット全体が縮むこともわかった。確実に技術レベル を向上させている。
像再合成のためのスリット応答行列の測定は、Astro-H の望遠鏡のキャリブレーション技術を適用した。実測とモデルの見分けがつかない精度の技術レベルをすでに獲得済みである。この測定に技術をそのまま踏襲した。像再合成は、この望遠鏡の成功の鍵を握る技術であり、本年度ソフトウエアの改良も行った。ポワソン限界にあるデータの場合は、Richardson-Lucy 法が一般的には有力である。これに天体の分布の情報(スパースネスや拡散度)を加味することで、より正確な 像再合成を実現する手法を開発している。 集光望遠鏡部の製作であるが、一昨年に引き続き、昨年度は新型コロナウイルスの蔓延防止政策に伴う実験室の立ち入りが強く制限されてしまったため、今年度改良版の作成を行う。作成の段階で、実験室内で偏光性能を簡便に測定出来るように、中央大学で偏光測定環境の開発も進められている。
像再合成のためのスリット応答行列の測定は、Astro-H の望遠鏡のキャリブレーション技術を適用した。実測とモデルの見分けがつかない精度の技術レベルをすでに獲得済みである。この測定に技術をそのまま踏襲した。像再合成は、この望遠鏡の成功の鍵を握る技術であり、本年度ソフトウエアの改良も行った。ポワソン限界にあるデータの場合は、Richardson-Lucy 法が一般的には有力である。これに天体の分布の情報(スパースネスや拡散度)を加味することで、より正確な 像再合成を実現する手法を開発している。 集光望遠鏡部の製作であるが、一昨年に引き続き、昨年度は新型コロナウイルスの蔓延防止政策に伴う実験室の立ち入りが強く制限されてしまったため、今年度改良版の作成を行う。作成の段階で、実験室内で偏光性能を簡便に測定出来るように、中央大学で偏光測定環境の開発も進められている。
- ID情報
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- 課題番号 : 19K21886
- 体系的番号 : JP19K21886