共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2023年3月

慢性虚血性疼痛における血管内皮増殖因子のスプライスバリアントの関与について

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
19K07819
体系的課題番号
JP19K07819
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

【目的】本研究は末梢動脈疾患(Peripheral Arterial Disease: PAD)で見られる虚血性疼痛のメカニズムを明らかにすることを目的とする。そのため、本年度はPADモデルラットの虚血下肢筋の知覚神経における血管内皮増殖因子(VEGF)のスプライスバリアントVEGF165a およびVEGF165bの発現の変化を調べる。またPADラットの筋の痛覚過敏への関与が示されたVEGF受容体VEGFR1の筋の知覚神経における発現について免疫組織学的に調べる。
【方法】全身麻酔下でラットの総腸骨動脈および腸腰動脈を結紮することにより下肢の血流を阻害したPADモデルラットを作成し、ランダルセリット装置を用いて筋の機械的痛覚過敏を、トレッドミルを用いて間歇性跛行の有無を調べた。逆行性トレーサーのFluoro-gold (FG)を腓腹筋に投与して腓腹筋の知覚神経を標識したラットを用いてPADモデルを作成し、筋の痛覚が亢進している結紮後14日目にL5後根神経節を採取し、pan-VEGF165 およびVEGF165b、そしてVEGFR1の免疫染色を行った。
【結果】PADモデルラットの腓腹筋の知覚神経ではVEGF165総量は変化ないものの、その内訳はVEGF165aが増加、VEGF165bが減少に傾くような量的変化が認められた。またPADモデルラットの腓腹筋の知覚神経ではVEGFR1の発現量が増加した。
【考察】本年度の成果により、PADラットの下肢の血流阻害による筋の痛覚過敏には、VEGFのスプライスバリアントVEGF165aおよびVEGF受容体VEGFR1を経たシグナル経路が関与すると考えられた。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K07819
ID情報
  • 課題番号 : 19K07819
  • 体系的課題番号 : JP19K07819