2019年3月
歯科衛生士がNSTと連携しHIV関連ホジキンリンパ腫患者の口腔機能管理を行なった1例
日本口腔ケア学会誌
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- 巻
- 13
- 号
- 2
- 開始ページ
- 24
- 終了ページ
- 30
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (一社)日本口腔ケア学会
症例は60歳男性で、発熱、体重減少、倦怠感を主訴に受診した前医にてHIV感染症が判明したため、当院の感染症科へ紹介受診となった。血液検査やPET検査、骨髄検査の結果、ホジキンリンパ腫を合併していることが判明し、第7病日よりABVD療法が開始された。その後、多発性の口腔粘膜炎を発症したため第8病日に紹介で当科を受診した。劣悪な口腔内環境を改善させて疼痛を緩和し、口腔内の清潔を保つことの重要性を理解してもらうことを目標とし、専門的口腔ケアを開始した。口腔清掃を行う当日の全身状態に応じ、基本的にはアズノール軟膏やワセリンの塗布により口唇を保湿したうえで、生理食塩水を含ませた綿球やスポンジブラシによる口腔粘膜の清拭を週5日行った。口腔内環境の改善に伴い、タフトブラシや歯間ブラシを使用したブラッシングを行い、可及的に歯肉縁上歯石の除去も行った。第25病日には、評価項目の8項目すべてで良好な口腔衛生状態にまで改善した。
- ID情報
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- ISSN : 1881-9141
- 医中誌Web ID : 2019394901