共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

身体活動推進による健康長寿実現の実証エビデンス構築:地域ランダム化試験と普及研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
19H03910
体系的課題番号
JP19H03910
配分額
(総額)
17,420,000円
(直接経費)
13,400,000円
(間接経費)
4,020,000円

申請者らは先の科研費(2016-18年度・基盤 (B)・ 16H03249)で、ソーシャル・マーケティングを活用したコミュニティ・ワイド・キャンペーン(CWC)による身体活動促進の効果を地域クラスター・ランダム化試験で明らかにした。本研究はこれを発展させるもので、【研究1】では要介護・死亡をアウトカムとした地域介入の長期効果を検討する。【研究2】では、地域介入を島根県雲南市全域、および神奈川県藤沢市全域に広げ(社会実装)、その効果を単群前後比較で検証する。
【研究1】2020年度は死亡では介入9年後(2018年)までのデータを、要支援・要介護では介入10年後(2019年)までのデータを分析した。その結果、累積死亡率は介入地域で1.1%(38/3336人)、対照地域で2.0%(22/1078人)で介入地域において有意に低かった(P=0.033、フィッシャーの正確検定)。また、要支援・要介護認定割合は介入地域で11.6%(388/3336人)、対照地域で12.2%(131/1078人)で有意差が認められなかった(P=0.644、カイ二乗検定)。ただし、介入地域のうち体操推奨地域において、要支援・要介護認定割合が8.9%(98/1107人)と低かった。長期追跡によりハード・アウトカムでも地域介入の効果が出始めている可能性がある。
【研究2】雲南市では2016年のベースラインから2018年の2年後追跡調査にかけて、身体活動実施者割合が61.0%(1934/3171人)から63.1%(2001/3171人)に有意に増加し(P=0.035、マクネマー検定)、介入の効果が現れ始めている。藤沢市では介入継続が本年度の計画であった。近年WHOが重視しているシステムズ・アプローチの考えに沿って、様々な部署との協力を強化した。また、藤沢市と協力して、オンライン運動プログラムを制作、開催するなどした。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19H03910
ID情報
  • 課題番号 : 19H03910
  • 体系的課題番号 : JP19H03910