講演・口頭発表等

2019年

土石流扇状地の地形発達サイクルが流域源頭部からの土砂流出に及ぼす影響

日本森林学会大会発表データベース
  • 經隆 悠
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  • 堀田 紀文
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  • 今泉 文寿
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  • 早川 裕弌
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  • 増井 健志
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  • 横田 優至

記述言語
日本語
会議種別

<p> 流域源頭部では,土砂の風化等による生産と豪雨による土石流形態での流出が長期間継続する場合がある。土石流は,しばしば谷出口の扇状地の侵食による発達によって,大量の土砂や流木を運搬し,下流での被害を引き起こす。しかしながら,そのような扇状地の侵食を伴う土砂流出の発生条件は明らかになっていない。本研究では,静岡県大谷崩一の沢において,2年間で発生した8つの土石流イベントについて,UAVによる扇状地の地形測量と扇頂での土石流の流入波形の計測を行い,扇状地における侵食の発生条件を調べた。前半4つのイベントでは,全ての段波が扇状地中央に位置する既存の流路内で堆積したが,その後の2つのイベントでは段波の流下方向の変化に伴う顕著な侵食が発生し,それぞれ左岸または右岸側に幅10 m程度の新たな流路が形成された。これらの侵食の発生前には,段波の流下距離の低下によって,扇頂付近の急勾配化が生じていた。また,侵食を引き起こした土石流イベントでは,段波の継続時間と流動深が比較的高かった。これらは,源頭部からの土砂流出が,発生域での土石流の規模だけでなく,扇状地の扇頂付近の地形条件の影響を受けることを示唆する。</p>

リンク情報
URL
http://ci.nii.ac.jp/naid/130007645172