2021年4月 - 2024年3月
補償電荷測定法による極性分子配向薄膜の光誘起脱分極機構の解明と長寿命化
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
近年我々は「自発的に配向する極性有機分子は,荷電処理が一切不要なエレクトレットとして機能する」ことを実証した.これはセンサやマイク,振動発電素子といった様々なエレクトレットデバイスの低コスト化を実現しうる新しい材料といえるが,光に対する表面電位の安定性は低い.この電位消失機構を解明するため,本研究では新しく補償電荷測定法を構築する.本手法を用いて表面電位の安定性の制限因子を明らかにするとともに,長寿命の極性有機分子エレクトレットを実現することを本研究の目的としている.
本研究を開始した2021年度は構造を変えたサンプルの表面電位測定から着手した.その結果,基板の種類によっては,光照射しても極性分子エレクトレットの表面電位は減少せず,むしろサンプルによっては成膜直後の初期電位よりも増加することを見出した.今後注意深くこの現象の再現性,及びこの現象が発生する条件を調べていく必要はあるが,これは長寿命な極性分子エレクトレットの実現にもつながる重要な成果であると言える.
このため,当初は光照射による電位消失過程を調べる予定であったが,今後は光照射による表面電位の発現機構の解明に注力していく予定である.ちなみに本研究で立ち上げる補償電荷測定法は,電位変化によって電極に生じる補償電荷を計測するものであり,研究対象がどちらであっても有力な評価手法となる.新しく発見した現象に対して実験を進めたため計画はやや遅れがちであるが,予定通り評価手法は構築する予定である.
本研究を開始した2021年度は構造を変えたサンプルの表面電位測定から着手した.その結果,基板の種類によっては,光照射しても極性分子エレクトレットの表面電位は減少せず,むしろサンプルによっては成膜直後の初期電位よりも増加することを見出した.今後注意深くこの現象の再現性,及びこの現象が発生する条件を調べていく必要はあるが,これは長寿命な極性分子エレクトレットの実現にもつながる重要な成果であると言える.
このため,当初は光照射による電位消失過程を調べる予定であったが,今後は光照射による表面電位の発現機構の解明に注力していく予定である.ちなみに本研究で立ち上げる補償電荷測定法は,電位変化によって電極に生じる補償電荷を計測するものであり,研究対象がどちらであっても有力な評価手法となる.新しく発見した現象に対して実験を進めたため計画はやや遅れがちであるが,予定通り評価手法は構築する予定である.
- ID情報
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- 課題番号 : 21K05208
- 体系的課題番号 : JP21K05208
この研究課題の成果一覧
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論文
3-
Synthetic Metals 288 117101-117101 2022年8月 査読有り招待有り
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SID Symposium Digest of Technical Papers 53(1) 330-333 2022年6月 査読有り招待有り筆頭著者責任著者
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Sensors and Materials 34(5) 1859-1859 2022年5月24日 査読有り筆頭著者責任著者
講演・口頭発表等
12-
19th Annual International Symposium on Electrets 2023年9月19日 招待有り
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23-1有機エレクトロニクス研究会 2023年5月30日 招待有り
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第70回応用物理学会春季学術講演会 2023年3月16日 招待有り
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The 21st International Conference on Micro and Nanotechnology for Power Generation and Energy Conversion Applications 2022年12月13日
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13th International Conference on Nano-Molecular Electronics 2022年12月12日
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Effect of light irradiation on giant surface potential of polar organic molecules on insulator layer13th International Conference on Nano-Molecular Electronics 2022年12月12日
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13th International Conference on Nano-Molecular Electronics 2022年12月12日
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Virtual symposium on Static-Tribo-Electricity of Powder 2022年10月29日 招待有り
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第83回応用物理学会秋季学術講演会 2022年9月22日
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情報ディスプレイ研究会 2022年8月3日 招待有り