共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2024年3月

補償電荷測定法による極性分子配向薄膜の光誘起脱分極機構の解明と長寿命化

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
21K05208
体系的課題番号
JP21K05208
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

近年我々は「自発的に配向する極性有機分子は,荷電処理が一切不要なエレクトレットとして機能する」ことを実証した.これはセンサやマイク,振動発電素子といった様々なエレクトレットデバイスの低コスト化を実現しうる新しい材料といえるが,光に対する表面電位の安定性は低い.この電位消失機構を解明するため,本研究では新しく補償電荷測定法を構築する.本手法を用いて表面電位の安定性の制限因子を明らかにするとともに,長寿命の極性有機分子エレクトレットを実現することを本研究の目的としている.
本研究を開始した2021年度は構造を変えたサンプルの表面電位測定から着手した.その結果,基板の種類によっては,光照射しても極性分子エレクトレットの表面電位は減少せず,むしろサンプルによっては成膜直後の初期電位よりも増加することを見出した.今後注意深くこの現象の再現性,及びこの現象が発生する条件を調べていく必要はあるが,これは長寿命な極性分子エレクトレットの実現にもつながる重要な成果であると言える.
このため,当初は光照射による電位消失過程を調べる予定であったが,今後は光照射による表面電位の発現機構の解明に注力していく予定である.ちなみに本研究で立ち上げる補償電荷測定法は,電位変化によって電極に生じる補償電荷を計測するものであり,研究対象がどちらであっても有力な評価手法となる.新しく発見した現象に対して実験を進めたため計画はやや遅れがちであるが,予定通り評価手法は構築する予定である.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K05208
ID情報
  • 課題番号 : 21K05208
  • 体系的課題番号 : JP21K05208

この研究課題の成果一覧

論文

  3

講演・口頭発表等

  12