共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2024年3月

反強磁性体における高次トポロジカル相に由来した新奇物性の理論的探索

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別研究員奨励費  特別研究員奨励費

課題番号
21J22264
体系的課題番号
JP21J22264
配分額
(総額)
2,200,000円
(直接経費)
2,200,000円
(間接経費)
0円

今年度は、磁性体における高次トポロジカル相と高次トポロジカル相と深く関係したトポロジカル相であるトポロジカル結晶絶縁体に関する研究を行った。以下にその二つをまとめる。
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(1)磁性体における新しいタイプの高次トポロジカル相として、回転対称性と反転対称性を組み合わせた回反対称性という結晶の対称性に守られた高次ワイル半金属の理論提案を行った。この高次ワイル半金属は、ワイル半金属でありながら、同時に高次トポロジカル絶縁体の特徴の一つとして知られるカイラルヒンジ状態を持つ。我々はバルクの波動関数の持つ対称固有値の観点から、この回反対称性に守られた高次ワイル半金属相が出現する条件を明らかにし、バルクの波動関数の情報とヒンジ状態に対応関係があることを示した。
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(2)高次トポロジカル相と深く関係した概念であるトポロジカル結晶絶縁体と呼ばれるトポロジカル相について研究を行った。特にトポロジカル結晶絶縁体の表面状態がその平衡結晶形状にどのような影響を与えるのかに注目した。その結果として、トポロジカル結晶絶縁体の表面状態に由来した表面エネルギーが特異な表面方位依存性を持つことが分かった。さらに、我々はその表面エネルギーがトポロジカル結晶絶縁体の結晶形に影響を与え、特有の平衡結晶形をもたらすことを示した。また、高次トポロジカル相が結晶形に与える影響についても研究した。その結果、磁場をかけることでトポロジカル絶縁体から高次トポロジカル絶縁体に変化する時に、結晶形が大きく変化することがわかった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21J22264
ID情報
  • 課題番号 : 21J22264
  • 体系的課題番号 : JP21J22264