共同研究・競争的資金等の研究課題

2015年4月 - 2020年3月

WHOとの連携に基づくチーム医療教育効果に対する2施設縦断研究とアジア展開

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
15H04749
配分額
(総額)
17,680,000円
(直接経費)
13,600,000円
(間接経費)
4,080,000円

本研究は、WHOとの連携のもと、チーム医療教育(IPE)の効果を比較するために札幌医科大学との共同研究である。27年度入学生に対してチーム医療に対する態度の初年度調査を29年度に実施したが、札幌医科大学の保健学科の学生の参加が乏しい結果となり、単年度の特異性を省くために30年度には医学科の学生に着目して、27年度と28年度の入学生を合わせて、初年度生の態度変化の解析を行った。ほぼ29年度に行った単年度の結果と同様に、2大学からの学生の因子構造は3因子構造に一致した。しかしながら、入学時には3因子中2因子は群馬大学が有意に高い値を認めながらも、両大学とも初年度の講義の終了時には全ての因子で差が消失した。現在、保健学科との交流の違いについて考察を行なっている。また、縦断研究のために27および28年度入学生に対して3年目の態度変化の調査結果の解析を開始した。この間、チーム医療教育をしていない大学との比較から、この教育の有効性を論文として発表した。さらに、近年、医療安全におけるIPEの重要性が着目される中で、本学のIPE教育が医療安全に対する態度に及ぼす変化を論文として報告した。一方、4月には、厚生労働大臣がWHOや世界銀行などと開催した世界閣僚級患者安全サミットに参加し、この会議で世界から招聘された医療安全の専門家を招いて、群馬県、群馬県医師会とともに「患者安全サミット参加者による国際シンポジウム:国際社会から学ぶリーダー資質の養成」を開催し、リーダーの資質養成にIPEの重要性を示した。8月には、タイやインドネシアの全国的なIPE教育の導入を促進している専門家を招聘してIPE Training Courseを開催し、アジア地域でのIPEの導入事業に参画することになり、本研究の国際的展開が開始された。

ID情報
  • 課題番号 : 15H04749