共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

ゲノムスケールモデルを利用した代謝経路律速点の解消による化成品生産技術の開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
19H00839
体系的課題番号
JP19H00839
配分額
(総額)
41,080,000円
(直接経費)
31,600,000円
(間接経費)
9,480,000円

生物の代謝システムは複雑なネットワークであり、目的物質生産にとって最適な代謝状態をデザインするのは容易ではない。また、未知の代謝物質-酵素の相互作用による制御が沢山あることが分かってきており、これらが代謝経路の様々な箇所において律速点となっている。これは生物の恒常性には必要な機能ではあるが、物質生産の目的には不要であり、目的物質の生産性の向上の障害となっている。
本研究では、細胞増殖と目的物質の生産が連動するように代謝をデザインすることで、増殖を選択圧とした指向性進化を行い、基質から目的物質への合成経路に潜む律速点を解消することを目的とした。大腸菌についての代謝反応に関する化学量論情報を整備したゲノムスケールモデルを利用することを考えた。フラックスバランス解析を用いて、増殖速度を最大にする代謝フラックス分布を求める方法を検討した。遺伝子操作によってデザインした代謝経路を実装し、進化プロセスで生じた変異やその機能を解析することで、この経路の律速点やその解消法について検討することとした。
これまでに、ゲノムスケールの代謝を議論できる代謝モデルの整備と目的物質を生産する大腸菌の代謝経路をデザインを検討した。基質の設定や目的物質の設定を行って、細胞増殖と目的物質の生産が連動するように代謝を設計し必要な代謝経路の導入、不要な経路の削除を行い、有用物質生産のための基盤株をデザインを開始した。このモデルベースのデザインに従って、実際に株を構築した。また、実験室進化を行うことによって、基質の取り込みや増殖速度の上昇した進化株の取得を試みた。複数の菌株を構築し、進化実験を行った。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19H00839
ID情報
  • 課題番号 : 19H00839
  • 体系的課題番号 : JP19H00839