共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

ラット骨粗鬆症モデルにおける骨粗鬆症治療薬と運動療法の効果の検討

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
19K19870
体系的課題番号
JP19K19870
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

骨粗鬆症の治療は,一般的に薬物療法と運動療法が実施されており,薬物療法については,その臨床的効果も示されてきている.一方で,運動療法の効果に関する研究はあるものの,骨強度の規定因子の一つである骨微細構造への効果を示す報告は少ない.また,臨床で一般的に実施されている運動療法と薬物療法の併用による効果を示した報告は少ない.
我々はラット骨粗鬆症モデルへの薬物療法と運動療法の併用が骨微細構造および骨強度に与える影響を検討した.
骨微細構造の解析にはμCTを使用した.また,骨強度の計測として3点曲げ試験を実施した.
運動療法のみ実施したラットにおいては海綿骨の骨量や骨梁幅の増加など,微細構造の改善を認めた.また,最大圧縮荷重やヤング率など骨強度の改善も認めた.一方で,薬物療法のみを実施したラットでは骨微細構造や骨強度の改善を認めなかった.さらに,薬物療法と運動療法を併用したラットにおいては,運動療法のみを実施したラットと比較して,より大きく骨微細構造と骨強度の改善を認めた.
今回の研究で用いている骨粗鬆症治療薬は,破骨細胞のアポトーシスを促す骨吸収抑制剤であり,骨代謝回転を低下させることで,骨密度や骨微細構造の維持・改善を図る骨粗鬆症治療薬である.一方で,運動療法は荷重や筋収縮によるメカニカルストレス,骨格筋から分泌されるサイトカインによって,骨形成を促進させる効果があるとされている.本研究の結果から,薬物療法のみでは骨微細構造や骨強度に対する効果は不十分である可能性が示唆された.今後は骨格筋に対する効果を検討し,骨粗鬆症治療薬と運動療法の併用がサルコペニア治療に有用であるのかを探っていく.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K19870
ID情報
  • 課題番号 : 19K19870
  • 体系的課題番号 : JP19K19870

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