2021年4月 - 2025年3月
高輝度安定型量子ドットと革新的マイクロ細胞組織による光治療薬開発と1分子動態解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
本年度は、当初計画通り「(I):3D培養系で高い浸透性・発光性・安定性をもつ機能化量子ドットの合成と培養組織内動態の解明(研究1~2年目計画)」のために細胞標的指向性分子-量子ドット複合体の開発に着手した。量子ドットに対してポリエチレングリコール鎖を介して水酸基(中性)およびカルボン酸(アニオン性)を接合した量子ドットを合成した。また、量子ドットに対して癌細胞マーカーとして良く知られているCD44抗体およびEpCAM抗体を接合した複合体も作成し、血液モデルのPBMC中から癌細胞を選択的に癌細胞認識できることを確認した。当該量子ドット-抗体複合体は現在、膵がん細胞における取り込み挙動を、2次元培養および3次元培養にて検討中である。また、量子ドット自体の光安定性についても検討を行い、光照射強度に応じて表面エッチングが起きる一方、光強度の制御や量子ドット表面組成によって細胞毒性を抑え得ることを見出した。
また「(II):マイクロ組織内の分子動態解明を利用した高効果光がん治療薬の開発(研究2~3年目計画)」に関して、その前段階として光増感剤の開発検討を行った。我々がこれまでも研究に用いているπ拡張型ポルフィリン分子(rTPA)について、量子ドット表面への担持やナノカーボン表面への担持を行い、その光増感性能(=一重項酸素発生能)の検証を行った。その結果、量子ドット表面への直接不可は、分子凝集などが原因となり十分な一重項酸素発生能を発揮しない一方、ナノカーボンの1種であるカーボンナノホーンに担持したrTPAは十分な一重項酸素発生能と殺がん効果を発揮し得ることを見出した。
また「(II):マイクロ組織内の分子動態解明を利用した高効果光がん治療薬の開発(研究2~3年目計画)」に関して、その前段階として光増感剤の開発検討を行った。我々がこれまでも研究に用いているπ拡張型ポルフィリン分子(rTPA)について、量子ドット表面への担持やナノカーボン表面への担持を行い、その光増感性能(=一重項酸素発生能)の検証を行った。その結果、量子ドット表面への直接不可は、分子凝集などが原因となり十分な一重項酸素発生能を発揮しない一方、ナノカーボンの1種であるカーボンナノホーンに担持したrTPAは十分な一重項酸素発生能と殺がん効果を発揮し得ることを見出した。
- ID情報
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- 課題番号 : 21H01753
- 体系的課題番号 : JP21H01753
この研究課題の成果一覧
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論文
1-
Journal of Photochemistry and Photobiology A: Chemistry 115397-115397 2023年12月12日
講演・口頭発表等
1-
第8回北大・部局横断シンポジウム 新領域創成に向けた若手連携の推進 2022年10月28日