共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2023年3月

ピコ秒レーザー皮膚治療における作用機序の解明と計算的評価手法の実証

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別研究員奨励費  特別研究員奨励費

課題番号
21J11059
体系的課題番号
JP21J11059
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
1,500,000円
(直接経費)
1,500,000円
(間接経費)
0円

本研究では,皮膚科・形成外科で適用拡大が期待される新規ピコ秒レーザー治療に対し,その作用機序の解明と計算的評価手法の構築を行う.治療効果は,病変メラノソームが含包されるメラニンの光吸収により破壊されて生じるため,組織,細胞・細胞小器官,分子の各階層に対してピコ秒パルス光による生体作用を解析する.本年度は主に,1.ピコ秒パルス光による病変メラノソーム破壊に必要となる閾値フルエンスの取得,2.入射フルエンスを計算するための数理モデル構築を行った.
1.ピコ秒パルス光による病変メラノソーム破壊に必要となる閾値フルエンスの取得
臨床利用されている波長755nmのピコ秒パルス光を使用し,照射条件を変化させて光照射した際のメラノソームの粒径測定と走査型電子顕微鏡観察により,病変メラノソームの破壊に必要となるピコ秒パルス光の閾値フルエンスを取得した.他波長のパルス光照射に対する文献値との比較より,求めた閾値フルエンスの妥当性を評価した.
2.入射フルエンスを計算するための数理モデル構築
取得した閾値フルエンスとヒト皮膚組織の光学特性値に基づく,入射フルエンスを計算するための数理モデルを構築し,病変深さおよびスキンタイプに応じた入射フルエンスを求めた.入射フルエンスは病変が深く分布するにつれて増加し,スキンタイプ間では色調が濃くなるにつれて必要となる入射フルエンスは増加した.計算値は臨床研究で安全性と有効性の高い治療成績を示した光照射条件に含まれた.ピコ秒パルス光による生体作用に基づいて入射フルエンスを設定するための数値指標を提供することが可能となった.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21J11059
ID情報
  • 課題番号 : 21J11059
  • 体系的課題番号 : JP21J11059