講演・口頭発表等

2018年6月16日

5つのステップを用いたEvidence Based Medicine (EBM)卒前教育の実践

第9回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会
  • 片岡, 義裕
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  • 高屋敷, 明由美
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  • 前野, 貴美
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  • 横谷, 省治
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  • 荒牧, まいえ
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  • 阪本, 直人
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  • 濱野, 淳
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  • 春田, 淳志
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  • 小曽根, 早知子
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  • 吉本, 尚
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  • 山本, 由布
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  • 後藤, 亮平
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  • 前野, 哲博

開催年月日
2018年6月16日 - 2018年6月17日
記述言語
日本語
会議種別
ポスター発表
主催者
日本プライマリ・ケア連合学会
開催地
津市

筑波大学では、医学部5年生全員が臨床実習として大学附属病院の総合診療科を1週間ローテートする。本実習の目標の一つとして「EBMの手法を用いて臨床疑問を解決することができる」ということを掲げている。この目標を達成するため、2017年10月から新たな演習を導入した。この演習では、まず初日にオリエンテーションを行い、EBMの5ステップや演習の内容について説明を行う。その後、学生自身が経験した症例をもとに、臨床疑問をPICOの形式で立て、電子教科書を中心に情報検索し、得た情報の批判的吟味をする。その後、もし自分が疑問の元になった患者の主治医だったらどのように判断するかということや、それらを行った振り返りを含めてシートに記入し、1週間の終わりに発表してもらう。特に学生が困難を感じやすい、疑問の定式化や情報検索について、1週間の途中で教員がフィードバックしたり、情報検索については二次資料を中心に行うなどの工夫をして、限られた時間ですべてのステップを経験できるように工夫した。はじめに立てた疑問が背景疑問であったり、疑問の回答がうまく見つからなかった学生も散見されたが、中には二次資料から原著論文までたどり着き、疑問に対する答えを導き出している者もいた。細かい批判的吟味まで個別に指導することには時間的あるいは人的な制約があり難しいが、日々の臨床疑問をもとに自分の知識を蓄え、判断に生かすプロセスを学ぶことにより、総合診療の実践に不可欠であるEBMの理解や実践のレベル向上につながる教育であると考え、報告する。