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2019年10月

気管吸引痰および鼻咽頭拭い液のリアルタイムPCRにより診断確定に至ったB型インフルエンザウイルス性鋳型気管支炎の1例

日本小児救急医学会雑誌
  • 松岡 太朗
  • ,
  • 長村 敏生
  • ,
  • 小林 奈歩
  • ,
  • 加藤 大吾
  • ,
  • 東道 公人
  • ,
  • 藤井 法子
  • ,
  • 大前 禎毅
  • ,
  • 相澤 悠太
  • ,
  • 齋藤 昭彦

18
3
開始ページ
390
終了ページ
394
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(一社)日本小児救急医学会

症例は5歳男児。当科受診2日前から発熱、咳嗽を認め、第2病日に近医を受診したが、鼻咽頭拭い液のインフルエンザウイルス(Influenza virus:flu)迅速抗原キット検査は陰性で、自宅での経過観察を指示された。しかし、同日夜に喘鳴が出現し、第3病日昼からは呼吸困難も訴え、14時に当科へ救急搬送された。搬入2時間後、気管挿管した直後に鋳型の粘液栓が吸引されて、鋳型気管支炎と診断した。ベラミビル、ステロイド投与、肺理学療法により第17病日に退院となり、以後の再発はない。来院直後の当科での鼻咽頭拭い液のflu迅速抗原キット検査は陰性であったが、同日の検体を用いたリアルタイムPCRではfluBが気管吸引痰、鼻咽頭拭い液ともに陽性で、前者でウイルス量がより多かった。下気道感染症の診断は上気道検体の迅速抗原キット検査のみでは確定できない場合があり、下気道検体を用いた検査の重要性を再認識した。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 1346-8162
  • 医中誌Web ID : 2020028078

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