共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2022年3月

被爆者のトラウマの構築過程とメカニズムに関する文化人類学的研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別研究員奨励費  特別研究員奨励費

課題番号
20J13087
体系的課題番号
JP20J13087
配分額
(総額)
2,100,000円
(直接経費)
2,100,000円
(間接経費)
0円

本研究は、乳幼児期被爆者を含めた広島・長崎県内外で暮らす被爆者において、時代ごとの社会背景やそれぞれの居住環境、ライフステージ、世間の眼差し等といった時空性・社会性に注目し、彼らのトラウマ反応とトラウマ記憶の形成・再生産の過程について明らかにするとともに、被爆者がそれぞれのトラウマとどのように折り合いをつけながら生きてきたのか、彼らの社会関係と社会環境の観点から再検討するものである。
今年度は、上記目的を達成するために、インフォーマントへの聞き取り調査を継続して行なうとともに、広島・長崎県内外で暮らす被爆者による自分史や手記、証言映像等を収集し、それらについても調査を行なった。それに加え、広島・長崎の原爆被害者の一部が広島・長崎県外の国内外で暮らすようになった経緯を探るため、その一事例として愛知県原水爆被災者の会(愛友会)の協力を得て、広島・長崎の原爆被害者が、いつ頃、どのような経緯で愛知に暮らすようになったのか愛友会会員に対してアンケート調査を実施した。
以上を踏まえ、聞き取り調査や自分史や手記、証言映像等の調査によって得られた資料を時代ごとの社会背景やそれぞれの居住環境、ライフステージのなかに位置付けながら、上記目的に関する考察を行なった。それによって得られた結果をまとめ、学会誌等への論文掲載、学会での発表に積極的に取り組んだ。さらに、日進市立図書館や名古屋市立鶴舞小学校での講演など、アウトリーチ活動も行ない、研究成果の社会還元に努めた。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20J13087
ID情報
  • 課題番号 : 20J13087
  • 体系的課題番号 : JP20J13087