本研究では、バンド型電極を用いたEMS(Electric Muscle Stimulation)トレーニング中に誘発筋電位を計測し、その性質から筋肉の状態を推定する方法について検討した。バンド型電極を用いる場合、筋電位計測において、電気刺激によるアーティファクトを完全に除去することが難しく、M波の前半部分を安定して計測できない。しかし、このような波形に対して、極値を用いた指標を設定し、その変化を観測することによって、筋肉の状態を推定するための良い指標が得られることがわかった。本稿では、このような誘発筋電の計測結果を報告し、疲労に関する生理学的な性質との関係を議論する。(著者抄録)