2018年 - 2020年
日・仏・欧比較による多層的規制モデルの構築
日本学術振興会 科学研究費助成事業 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化) 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
2018年9月からフランスのボルドー政治学院で在外研究をしている。共同研究者の協力を得ながら、今年度は、(1) 多層的規制モデルの理論的検討、(2) フランス行政の調査、(3) EU行政の調査の3観点から研究に取り組んだ。
(1) 上記モデルの特長のうち、規制決定権限の所在に関連して、ワシントン条約を念頭に置きながら、国際条約の国内実施を検討した。その成否の規定要因として、先行研究が、(a) 条約実施に有効な資源が国際機関に備わっていること、(b) 国際機関の資源の効果を邪魔する要素が各国にないこと、を挙げていることが分かったが、これが近年のワシントン条約にも当てはまるか、また、これ以外の行政的要因の有無について、各国の規制実態を踏まえて検討している。
(2) フランス行政における多層的規制の例として、①地方分権改革による国・地方関係の変化、②コンセイユ・デタによる行政の適正化、③食品の品質認証制度に係る官民関係等についての情報収集をした。①については、地方、とりわけ大都市への分権が進んだ1980年代以降、建物の老朽化対策に関して、(a) 進捗が各都市の政治状況や政策手法の巧拙によってまちまちになっていること、(b) 分権化されればされるほど責任を負うことになる自治体は、現場でその果たすべき役割と権限と責任を実感せずにはいられない状況に置かれていることが明らかになった。
(3) EU行政については、①加盟各国に対するEUの行政的意味における重み、②「民主主義の赤字」に対する欧州議会の地位向上の意義、③規制の透明化と効率化を目指すBetter Regulation Strategyの動向といった点について、情報収集をした。そうしたEU全体の近況把握と併行して、EU・加盟各国・政策現場の各「レベル」でdiscretionを分け合っている例として、地域開発基金の情報収集もした。
(1) 上記モデルの特長のうち、規制決定権限の所在に関連して、ワシントン条約を念頭に置きながら、国際条約の国内実施を検討した。その成否の規定要因として、先行研究が、(a) 条約実施に有効な資源が国際機関に備わっていること、(b) 国際機関の資源の効果を邪魔する要素が各国にないこと、を挙げていることが分かったが、これが近年のワシントン条約にも当てはまるか、また、これ以外の行政的要因の有無について、各国の規制実態を踏まえて検討している。
(2) フランス行政における多層的規制の例として、①地方分権改革による国・地方関係の変化、②コンセイユ・デタによる行政の適正化、③食品の品質認証制度に係る官民関係等についての情報収集をした。①については、地方、とりわけ大都市への分権が進んだ1980年代以降、建物の老朽化対策に関して、(a) 進捗が各都市の政治状況や政策手法の巧拙によってまちまちになっていること、(b) 分権化されればされるほど責任を負うことになる自治体は、現場でその果たすべき役割と権限と責任を実感せずにはいられない状況に置かれていることが明らかになった。
(3) EU行政については、①加盟各国に対するEUの行政的意味における重み、②「民主主義の赤字」に対する欧州議会の地位向上の意義、③規制の透明化と効率化を目指すBetter Regulation Strategyの動向といった点について、情報収集をした。そうしたEU全体の近況把握と併行して、EU・加盟各国・政策現場の各「レベル」でdiscretionを分け合っている例として、地域開発基金の情報収集もした。
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- 課題番号 : 17KK0039
- 体系的課題番号 : JP17KK0039
この研究課題の成果一覧
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論文
3-
北大法学論集 71(3) 453-492 2020年9月 筆頭著者責任著者
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北大法学論集 70(6) 1009-1037 2020年3月 筆頭著者
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年報公共政策学 (13) 99-116 2019年3月
講演・口頭発表等
2-
日本評価学会 全国大会(第21回) 2020年11月29日
-
日本計画行政学会 全国大会(第43回) 2020年11月28日