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2018年7月

非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)診療ガイド2015の解説と、本邦の疫学解析

日本小児腎不全学会雑誌
  • 菅原 有佳
  • ,
  • 藤澤 まどか
  • ,
  • 吉田 瑶子
  • ,
  • 南学 正臣
  • ,
  • 加藤 秀樹

38
開始ページ
61
終了ページ
69
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
日本小児腎不全学会

非典型溶血性尿毒症症候群(atypical hemolytic uremic syndrome:aHUS)は、補体制御異常により、溶血性貧血・血小板減少・腎機能障害といった症状を呈し、末期腎不全や全身状態の悪化をもたらしうる重篤な疾患である。エクリズマブが開発されその予後は改善を認めつつあるが、原因遺伝子の解明が今も進んでいる研究途上の疾患であり、迅速かつ正確なaHUSの診断方法の開発、エクリズマブの中止基準についてなどの今後の課題が残っている。また、欧米における疫学研究では原因変異としてCFHが多いのに対し、本邦ではC3変異、とくにp.I1157Tという変異が多いという違いがあり、今後も本邦における特徴につき調査を進める必要がある。本稿では、aHUSの診断・治療について、本邦における最新ガイドであるaHUS診療ガイド2015に沿って解説する。また今後の課題、欧米と本邦の疫学研究結果について述べる。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 1341-5875
  • 医中誌Web ID : 2018383230

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