2018年12月
浜松市沿岸地域における津波避難先への到達可能性に関する研究
地理空間
- 巻
- 11
- 号
- 2
- 開始ページ
- 111
- 終了ページ
- 127
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.24586/jags.11.2_111
- 出版者・発行元
- 地理空間学会
本研究では,津波避難施設の収容可能面積に着目しながら収容超過によって避難が不可能になった人々の空間的な再配分を目的として,彼らの居住地に対する別の避難先への到達可能性についてGISによる定量的な空間分析を行った。事例地域には静岡県浜松市の沿岸地域を選定し,南海トラフ巨大地震による夜間の津波襲来を想定した。 分析の結果,最近隣に立地する津波避難施設へ避難した場合の避難達成率は54%であり,収容超過した人々を浸水域外もしくは収容面積に余剰のある津波避難施設へ再配分することで,避難達成率は86%に上がることが明らかになった。また,浸水域外へ避難した方が収容超過した人々の再配分に対するポテンシャルが高いことがわかった。一方で収容面積に余剰のある津波避難施設は,避難可能時間内に浸水域外へ到達できない人々にとって特に有用であることが判明した。本研究で得られた知見は,津波避難施設の配置計画や住民による初期避難の精度向上に役立つ。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.24586/jags.11.2_111
- ISSN : 1882-9872
- CiNii Articles ID : 130007621132
- CiNii Books ID : AA12471203