共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2023年3月

ビッグバンの起源を探る-最先端の超伝導技術と史上最大の望遠鏡群で挑むCMB測定

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
19H00674
体系的課題番号
JP19H00674
配分額
(総額)
44,720,000円
(直接経費)
34,400,000円
(間接経費)
10,320,000円

我々は、ビッグバンの起源として有力とされる初期宇宙インフレーションを探るべく、史上最大の宇宙マイクロ波背景放射観測用望遠鏡群となるSimons Observatory実験を遂行している。本研究においては、この実験でインフレーションの信号が現れるとされる大きな角度スケール(2~10度)での測定精度を大幅に改善する「連続回転式低温半波長板」を中心とした研究開発を行う。具体的には、Simons Observatoryによるインフレーション探索の成否を決める低温半波長板システムを作成し、また半波長板システムに焦点を当ててデータ解析を行い、解析手法を確立する。初年度においては、半波長板システム1号機を完成させ、評価を進めた。超伝導浮遊式ベアリングを用いた回転機構における摩擦やノイズ源となる磁場について、設計通りの性能が達成されたことを確認した。この一号機について、Simons Observatoryにおける一台目望遠鏡への統合作業を開始し、統合されたシステムにおいても主要な性能測定と実証を概ね完了した。迷光を防ぐなどの光学設計も進め、半波長板光学素子であるサファイアの組み込みについても設計と作成を進めた。このサファイアに施す防反射加工に関しても、研究開発を進めている。また、2号機以降の作成への準備を進めており、特にそれに用いるクライオスタットの作成も当初の計画以上に進展した。データ解析への準備も進め、一号機からの試験データの解析をすぐに始められる。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19H00674
ID情報
  • 課題番号 : 19H00674
  • 体系的課題番号 : JP19H00674